05
下校時になるとトラファルガー・ローは私を引っ張って教室を出た。
学校を出るとトラファルガー・ローと私はファーストフード店へ入る。
そこでも彼は学校帰りの女の子達の注目の的だった。
彼は二人分の注文をして席に着くとやっと手を離してくれた。
「奢りだから食べろ」
彼はお馴染みになりつつある笑みを浮かべながらファーストフードを指で指す。
「は、はぁ……」
次々と様々なことが起こることについていけてないなと思いながらジュースに手を伸ばした。
「ファーストキスを貰った礼だ」
「!――んぐっ、ゲホゲホっ」
「フフッ……大丈夫か?」
「は、はい……じゃなくてファーストキスを奪ってしまったお詫びとかじゃないんですね…」
「ンな勿体ないことするかよ」
「……!」
彼の言葉にカアッと顔が熱くなった。
「フフッ、真っ赤だな」
「ほ、ほっといてください!」
私がそう言うと彼はおもしろそうにクツクツと笑った。
「あの、聞きたい事があるんですけど……」
「ん?」
私はずっと気になっていたことを聞いた。
「教室で言っていた“ずっと探していた”ってどういうことですか?」
「あァ、あれか……そのままの意味だ」
そう言った彼の顔は悪戯が成功した子供のようだった。
「えっと……よくわからないです……」
「知らなくていい」
彼はそういうと立ち上がった。
「食べ終わったことだ、次はデート行くぞ」
「え……」
私は彼の口からデートという単語が出てきて思考が停止してしまった。
「何ボーッとしてンだ、行くぞ」
彼は私の腕を引っ張った。
「ち、ちょと待ってください!」
私がそう言うと彼は怪訝な顔をした。
「私達って付き合ってないですよね?」
確かにキスはされたが私達は付き合ってないはずだ。
「あぁ、そんなことか」
彼がそんなことを言うものだから私はそんな事なんかじゃないと反論しようとした。
口を開こうとしたら腕をグイッと引っ張られる。
「んっ……」
気がつくとまた私は彼にキスされていた。
しかも今度は簡単なキスじゃなかったのだ。
「!……っ……んん……」
彼は角度を変えながらキスを深くした。
私は苦しくて口を開ける。
すると待ってましたというようにヌルリとしたものが入ってきた。
「!――あっ……んん」
腰がガクガクしてきてもう酸素が足りなくて私は彼の胸を叩くと唇がはなれた。
「はぁはぁっ……」
私はやっと入ってきた酸素を吸い込む。
でも足がフラフラで立てなかった。
「これで俺達は公認のカップルだな」
彼は涼しい顔をしながら言った。
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