02
回想が終わった私はそんな事もあったなと友人との会話を懐かしく思った。
そんなことを思っていたら噂のトラファルガー・ローがやじ馬に気がつくいたのかギロリと周りを睨んだ。
すると周りにいた生徒達はそそくさと逃げて行っく。
私も歩きだそうと思ったらトラファルガー・ローの目と私の目がバチッと合った。
その瞬間トラファルガー・ローの目が大きく見開く。
私はというとその時初めて彼の顔を見たのでついまじまじと見つめてしまった。
明らかに校則違反のピアスにきくずした制服、でも一番は彼の目の下にある隈。
確かに女子に騒がれることはあると思った。
「お前は……」
彼の声で私はハッとなり、周りを見回すと私しかいなくてこれはヤバいと感じた。
「すすす、すいませんでしたぁ〜!」
私は謝りながら入学式の場所まで走った。
「ハァハァ……」
あのあと全力で走った私はやっとの事で入学式の式場に着いた。
「危なかったぁ…」
あのままあそこにいたら私はどうなっていたか。
私は気を取り直し、指示に従って新入生用の椅子に座る。
しばらくすると入学式が始まった。
校長先生の話が終わった後は今年首席で入った私と同じ新入生がステージで話すことになっている。
そういえば一体誰が首席なのだろうか?
私が下を向いて考えに浸っていると、突然周りがどよめきだした。
「?……!!」
ステージに立っていたのはなんとトラファルガー・ローだったのだ。
「うそ……」
私は信じられなくてポツリと呟く。
周りも私と同じようで信じられないというような顔をしていた。
トラファルガー・ローがマイクに近寄る。
その顔は喧嘩の時とは打って変わって、とても機嫌が良さそうだった。
「トラファルガー・ローだ。本当はスピーチなんざしたくなかったが、気が変わった。」
なんだかききづてならない言葉があったが、その前にスピーチの中身が前代未聞だ。
「まぁ、楽しめたらいい……以上だ」
トラファルガー・ローはそういうと早速と自分の場所に戻っていった。
その間会場は静まり返っていたがすぐにどっと沸き上がる。
どうやら今の発言でトラファルガー・ローの印象と好感度が上がったようだ。
それからは入学式が終わると自分達のクラスへ入って行った。
周りには初めて見る人ばかりで少しばかり緊張する。
黒板に張り出されている机の場所を見てみると私とトラファルガー・ローのクラスが一緒だということを知った。
席も離れているし話かけられるということもないだろうと思いながら窓側にある一番端にある自分の席に着く。
「さっきのスピーチ凄かったな!」
「あぁ!なんか意味深げだったな」
またトラファルガー・ローの話が聞こえてきた。
――ガタッ
隣から椅子を引く音がしたので見てみるとキャスケット帽子を被った男子がいた。
「初めてましてだな、俺はシャチだ」
シャチと名乗った人はニカッと笑って手を出した。
「初めまして……」
私もおずおずと手を差し出して握手をした。
「名前は?」
「リーシャ……です」
「え!?ま……まじ?」
自分の名前を言った途端シャチくんの目が見開かれた。
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