「なんか、すみません……」
虫歯と勘違いした過去の私の行動に恥ずかしさが込み上げ恐縮する。
「謝る必要なんかねェ。むしろ感謝する」
「?」
意味が分からずローくんを見上げる。
「お前に惚れたから」
「っ!?」
改めて言われ心臓がドキリとなる。
(うぅ……)
下を向くとローくんが「俺の事が好きか?」と聞いてきた。
最初はいきなりキスをされて苦手意識があった。
けれどローくんと一緒にいる内に、
私の気持ちは――。
「好き、ローくんが好きだよ」
はっきりと彼の目を見る。
するとローくんはフッと優しい笑みを浮かべそっと顔を近づけてきた。
そして私はそのまま目を閉じた。
後にトラファルガー・ローのシンデレラストーリー説のシンデレラが私だったと知り、どこから聞いたのかはわからないが某友人(トラファルガー・ローファン)が私の所に飛んできて質問攻めにあったのはまた別の話である。
(ていうか俺後半出番なし!?)
(ごめんねシャチくん)
(俺が主役なんだから当たり前だろ)
(シャチくんだって仲間でしょ?)
(………)
(泣いていいか?)
END
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