×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -
 
13


「次はローくんが出るみたいだよ!」

「ユースタスの奴も出るみてェだな」

クラス対抗リレーに出るローくんはあの後、ユースタスくんと出場場所へと行ってしまった。


「でもやっぱ疑問だな……」

「え?何が?」


ボニーちゃんはうーん、と唸りながら言った。


「今まで学校に来なかったユースタスがなんで体育際に来たのか、だ」


ボニーちゃんの言葉に確かにね、と同意を述べた。


『これより一年生によるクラス対抗リレーを始めます』



「あ、始まるみたいだよ!」

「これは見物だな」

私達は競技開始のアナウンスが聞こえるとローくんがいるスタートラインに目を向けた。
空砲が鳴り、あっという間にゴールテープを切った二人。
リーシャとボニーは驚きながら、戻ってきた二人に声を掛ける。

「引き分けじゃ意味がねェよ」

「まァな。でも仕方ねェ」

二人の会話にやっぱり仲が良いのだと感じるリーシャ。

「もうお昼だし、食べよっか」

「もうそんな時間か……!飯!飯!」

はしゃぐボニーに苦笑いするリーシャは、後の二人を見た。

「適当でいいか」

「うん。それで――」

「場所を取ってある、来い」

リーシャとローが話しているとキッドが横から入ってきた。
唖然としている二人とボニーはキッドの後について行こうか迷っていた。

「あいつがそんなことする奴か?」

「いや、ありえねェ……」

ボニーがローに耳打ちをするとローは軽く冷や汗を欠く。

「とりあえず行ってみよ!」

そんな二人にリーシャはキッドの後ろへ付いていく。
すると二人も渋々ながら歩きだした。


リーシャ達がのしのしと歩いているキッドに付いていくと、グランドにある大きな気の下で止まる。


「キラー」

「……キッド。他の奴も連れて来たのか」

「あァ。久しぶりだしな」

キッドと言葉を交わしているのは、顔にフルマスクを被っている、なんとも奇妙な人だった。

「ねぇ、ユースタスくん……」

「あ?」

つん、とキッドと服を引っ張るリーシャ。

「もしかしてその人――ユースタスくんの……お父さん?」

「違ェェー!!」

リーシャの言葉にキッドは怒鳴り、ロー達は吹き出した。

「あははは!リーシャ!そいつよく見てみろ!私らと同じ体操着てんだろぉ〜!」

「お父さん……キラー屋、その称号もらっとけ」

「え!ち、違うの!?ごめんなさい!はやとちりして私……!」

「いや、気にしてない」

とキラーは言っているが、リーシャは申し訳なさに頭が下がる。

「本当にすいません……」

「大丈夫だ。キッド、お前にしては珍しい子だな……」

「俺の連れじゃねェよ。トラファルガーのだ」

リーシャを見ながら感心するキラーにキッドは少し気まずそうに紹介する。
するとキッドとキラーの間にスッとローが割入ってきた。

「キラー屋。こいつは俺の女だ」

「ロ、ローくん!?」

さらりと自発的発言をしたローにリーシャは顔を赤くする。

「そうだったのか」

「違いますよ!」

納得してしまったキラーに慌てて訂正する。
そんなリーシャを見て楽しそうに笑うボニーがいた。



みんなで食べようお弁当!


prev next
[ back ] bkm