×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
 
36


ローに今朝の態度の始まりを説明する事を決めて、開くつもりのなかった口を開く。

「朝、トラファルガーさんを起こそうとした時に……キ、キスを、してきました」

「……………………」

「あのぉ、トラファルガーさん?」

黙りこくるローに心配になる。

「…………………………ちょっと頭を整理してるところだ」

呆然としている顔を浮かべるロー。
余程ショックを受けた様子でボーッとしているのを見て心配になる。
平気なのだろうか、と思い顔を見下げていると彼はスクッと立ち上がった。

「整理出来た」

「は、はあ」

息を吐くような相槌を打つ。

「俺はお前に寝ぼけてキスしたって事か」

頷くとローは手を頭に当てて溜め息をつく。

「で、お前は動揺して俺を避けたんだな」

「は、はい。そうです」

「俺を、嫌いになったわけではない……のか」

「き、嫌い?……何の事でしょう……?」

「いや、いい。今のは忘れろ」

頭痛を感じた様に目尻を下げる男に心配になる。
忘れろ、と言われた言葉を脳内で反響させた。

(嫌いになった……?もしかして、私がトラファルガーさんを?)

ローは大きな勘違いをしていた。
リーシャが嫌ったから慈悲をくれと言ったのだろうか。
そう思うと、少しだけ相手が可愛く見えた。


prev next
[ back ] bkm