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シンデレラコンテストの島から出向し、ハートの海賊団は航海に海を突き進んでいた。
いつものように朝に目が覚めるとやはりそこには半裸のローがいたのでドッと精神的に疲れる。
腰にも腕が回っており抜け出すことも出来ないので彼の肩を揺らす。

「トラファルガーさーん……起きて欲しいです、起きて下さい……」

試しに何度も呼び掛け、その睫毛が震え、ローのイエローブラウンが姿を現す。
彼は寝惚けた様子でリーシャを見ると徐に頬へ甲を撫でつけてくるので一瞬反応が遅れる。
ハッと意識を戻した時には既に口付けをされていた。
どうやら本当に寝惚けていたらしく直ぐに唇を離すと寝息を立てて、また夢の中へ旅立っていく。
しかし、そんな些細な事はどうでもよくて、リーシャの頭の中はぐちゃぐちゃになっていた。

「え、え、え、今……今……」

不意打ちでやった本人にも寝られて、この羞恥心の向かい処が分からない。
いつもなら彼がからかい顔と言葉で翻弄してくるから、文句を言って終わるからこそ気分的にもまだ楽なのに。
なのに、一人ぽつんと残された自分はどうすれば良いのか。
今だ引かない熱を冷まそうとシャワールームへ向かう。
ロー本人が不在なので、鍵もなく普通に入れたので衣類を片手に船長室に向かった。
その間に己を落ち着かせねばと思い、ひたすら体を洗うことに集中したからか上がる頃には心身共にクタクタになっていた。




お昼の時間までローと顔を会わせない為にベポの元に居た。
何かあったのかと聞かれたが言える事でもないので何もないよと苦笑を浮かべるしかない。
結局ご飯を食べる時には会ってしまうのだと腹を括り食堂の扉を開いた。
既にローが居たので気まずく思い食事を受け取ると彼から一番離れた席に座る。
座った途端、近くに居た船員達がギョッとしたようにこちらを見るのを見て余計に肩身が狭(せま)くなった。
ちらりとだけローを横目で見てみるとスプーンを持ったままこちらを見ている状態で、表情が驚愕に染まっていた。
それを見て前を向くと慎ましく食べ始める。
その間にもあちこちから視線が突き刺さり早く食べ終わりたいといつもよりも急ぎ足で口を動かした。


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