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そして念願の……ではないが今までやりたくても出来なかった互いを深め合う女子会をハートの海賊団で真慎ましく行う。
筈だった。

「おい、勝手に俺の部屋の風呂を使うな」

「なあーに?あんたそんな心が狭い奴なんだ?後あの子も入ったんだけど?」

「ト、ラファルガーさん、ご、ごめんなさい……皆さんが先に入っていたのでトラファルガーさんのお風呂場を使わせていただいたのですが……本当に、」

と、威張るランと謝り続けるリーシャとそれを複雑に、悔しげに見る死の外科医が佇んでいた。
事の発端は会話の節々から分かる通り先に男性陣がお風呂場を使っていたので二人で入りたい女子陣は最終手段である船長室のシャワールームを使用したということである。
しかも二人で使ったという事を更にローの心情を複雑にしていた。

「あんたの部屋ってアルコールの匂いが凄い。てことでうちのリーシャは自室で私と寝るから」

言いたい事を言い終えたランはフンッと息を吐きリーシャを抱き締めた。
一緒にたくさん話そうね、と仲睦まじくお喋りし出すその光景はのほほんとしているが気に食わないと怒りと嫉妬で目を菅めるローは違う思考をすでに組み立てている。
完璧なまでに後悔させてやる、と。





――翌日。
あと一週間はローとキッドの船を渡り会う二人の海軍に身を置く女性達。
朝食の後、予定ではペンギンの所へ向かう手筈で食後のコーヒーやココアをのほほんと飲んでいた。
今日も問題なく過ごせればいいと夢物語のような事を思い浮かべていた時、事はすでに非日常へと引き戻されることとなる。

「なにこれれれええええ!!?」

「い、きゃあああ!!」

奇声と叫び声に何だ、何事だとリーシャの部屋へ急ぐハートの海賊団の船員達。
女子部屋男子禁制と化した部屋に躊躇しながら入るシャチ達は慌てふためく二人の女にハテナマークが頭上に浮かぶ。
一見どこも不可思議な所はなく、ただ二人が慌てたりパニクってるだけだ。
どうしたのだとリーシャの名前を呼ぶと。

「ふぇ!シャチさん〜!!」

「へ、何でお前が反応するわけっ?」

リーシャではなく返事を返したのはランだった。
だが昨日の傲慢な態度とはかけ離れ、まるで小動物のように目に涙を溜めてシャチをさん付けするのに違和感。
昨日は名乗る前に「キャスケット帽子……ふーん」としか言わなくて、名乗る前に姿を消した筈で名前を教えていないのに。
知っている筈はないと考えると次はリーシャが喚く。

「どうなってんのよこれ!意味がわからないわっ!?」

「え、リーシャ……?」

こんな傲慢な言葉を使わない彼女の様子に頭が混乱する。

「落ち着け。取り敢えず二人の今の状況を詳しく話してくれないか」

やがてペンギンがやって来て冷静に二人に話し掛ける。
さすがはオカンだ。
言うと殴られるので言わないで、そうだ、と同じく問い掛ける。
二人は混乱をしながらも仲良く声がハモり響き渡った。












「身体が入れ代わりました!!」

「身体が入れ代わったのよ!!」


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