×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
 
13


Heart side

紅一点のリーシャがキッド海賊団の船に泊まるという異例のイベントを過ごしている間、ハートの海賊団はカオスな空気を漂わせていた。
勿論、誰かと言えばトラファルガー・ローただ一人というものだ。
それにてんてこ舞いなのはペンギン、シャチを始めとした各船員達。
どよんとした感情を漂わせ机に頭を突っ伏させているローはもんもんとしたものが頭の中を占めていた。

(なんなんだ、親友登場なんて聞いてねーよ。つーか何で寄りにもよって何故ユースタス屋の船?あのランとかいう女も海兵のくせにユースタス屋の奴隷、というわけでもなさそうだしな)

「海兵のくせに逃げないなんてどういう神経をしてんだあの女?」

「船長、水を刺すようですいませんが船長が言えることではないと思います。自分のことを棚に上げるような発言は控えろ下さい」

ペンギンの毒舌が横から入ってきたがローは話を聞いていない。
シャチが突っ込む。

「その控えろ下さいって今流行りの敬語だけどタメ口?だよな?」

「ああ。何故かは分からないが俺の為に出来たジャンルな気がする」

「ペンギンだからこそ成せる業だな」

ベポが笑いながら言う。
それに同意する船員達に満足そうに頷くペンギン。
するとガタッと音がしてローが立ち上がる。
暫くプルプルと震えやがて小刻みに拳を震わせ一言。

「戦争だ」

…………………………………。

「「「ええええええ!?」」」

と、ローはこの海賊団のブレーンとは思えぬ発言をする。
船員は眼を瞠目させ冷や汗をだらだらと出すし船長をどうにかして宥めにかかった。
どういう経緯で戦争だなどと突拍子もないことを言ったのか安に想像できる自分は最早末期だとペンギンは思う。
慌てる船員達の間を縫いローの元へ向かい、ペンギンはこれ以上問題を起こして欲しくなかったので考えていた言葉を述べる。

「別に戦争は構いませんが彼女に嫌われるのは確実ですよ?」

そう口添えするとローはうっと言葉を詰まらせた。

「お前ら、戦争はまたの機会にする」

良かったと安堵する船員達の声が聞こえ取り敢えず事は脱したようだ。
お騒がせな船長にシャチは汗を拭った。


prev next
[ back ] bkm