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ある日、ローと共に部屋でゴロゴロしていると彼がトイレに行くと告げ静かに部屋を去る。
それに返事をしなくても分かっているので何も答えず自由にさせた。
もう半同居と言ってしまってもいいんじゃないのかと思う程ローを家で預かっているので彼も家を知り尽くしている。
もしかして自分の父親よりも知っているかもしれないと考えているとドタバタと二階から階段を降る足音に眉をひそめた。
トイレは一階にあるのに何故二階から来たのか意味が分からないでいると、彼は興奮した様子で何やら持ってきてギョッとする。

「これ、リーシャ、う、うえで見つけたっ!もしかして、おれのか!?」

「勝手に私の部屋に入らないでくれる?」

「メッセージガードにおれの名前!おれのだよなっ!?」

「…………あんた誕生日だし」

そう、今日はローの誕生日。
クリスマスにサプライズをされたお返しにという恩もあるので一応部屋に待機させていたのだが勝手に部屋を見たようだ。
そう言うと子供は年相応に顔を輝かせ開けてもいいかと尋ねてきたので頷く。
すると、セカセカといつもの冷静さがない手付きで破らないように包装を開き、中身を出していくのでビリビリと破ればいいのにと少し唖然とした。
全容が見えて白いふよふよとした柔らかい物体に彼が小さく「ベポ」と呟く。
スケール四分の一の大きさのベポを模したぬいぐるみはローより少し大きめで、抱き締めているのに抱き締められているように見えた。

「リーシャからのプレゼント……!かほうにするっ」

真顔かニヤリとした小賢しい笑みとは違い、純粋に頬を染めて喜んでいる様子に内心プレゼントが喜ばれたことに安堵したのは秘密である。
暫し抱き締めていたローが思い付いたようにぬいぐるみをこちらに渡しリーシャにも抱き締めるように言うので、ノーと言う。

「おれのたんじょーびにめんじて、一回だけでいーから」

「ちょっとだけね」

仕方ないとベポを抱き寄せすぐに離すとローはギュッとまた嬉しそうにベポ人形を抱き締める。

「もう、まんぞくだ」

一応、本当に気まぐれだが、

「ケーキもあるけど」

「!?……ケーキ?」

買っておいた。

「食べる?」

「食べたい!全部おれが食べるっ」

三号のケーキをローが食べれるわけがないだろうと飽きれつつ、ケーキを取り出し彼の分を多目に分けて皿に移すと、小学生は嬉々としてそれを受け取りフォークを握った。

「当日にこうやっていわうのは久々だ」


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