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ローは自分がモテるのを自覚しそれを利用するくらい狡猾なくせに、こういった事にはとことん清々しいくらい干渉して来る。

「もし仮に来た時には、私の顔が広まる」

「目立たないようにする」

「ローがそうしても周りが放っておかない」

「お前がそう言うってことは…………俺を男として意識しているんだな?」

そう口にするローに目が点になる。
いきなり何を言い出すんだこいつは、と正気を疑う。

「何をやるんだ?食べ物か?」

「カフェ」

無難なものになったのはクラスのやる気のなさとあるのが差にあったからだろう。
学校では良くある話だ。
仕方なく答えるとローは感慨深げに成る程……と目を細める。
何が成る程なのか説明もないままその日の文化祭の話題は流れた。
正確にはローに話題の変化球で流されたのだが。






そして、カフェと決まったクラスはいつものようにお昼を迎え、ナミ達も日常になりつつあるお弁当同席の誘いをしにきた。
二人で食べれば良いものの、面倒な事をよくまぁ毎日やるものだと少し関心する。
でも、その誘う対象が自分である限り他人事ではないので断るのも面倒だ。

「食べに行くわよー」

ゾロが一歩後ろにいる状態で下の広場のベンチに座り弁当を広げる。
毎日、喋るのはナミばかりでゾロは相槌を打つのが多い。
リーシャは特に反応はしないが、それでもナミはこちらの反応を窺った。

「そういえば、あんたのクラスはカフェよね?当番制?」

「…………うん……私は……お昼の、二時から三時の担当……です」

言葉がぎこちないのはリーシャが高校生になるまでまともに同級生と話したり絡んだりしてこなかったからだ。
こういった会話も新鮮で、でも、とても困る。
一言何か言う度に怒らせてしまわないか、間違っていないか、可笑しい発言をしていないか、と一々顔色を伺ってしまう。
ローと話すときはあんなにも素を出して接していたのだと今になって痛感した。

「じゃあ文化祭当日は私達と回らない?三日もあるんだし、どう?」

(誘われた……!どうすれば……、)

もしかしたら誘われるかもしれないと構えていたのだが、いざ言われるとどう返してよいものかと戸惑う。
頷くしか選択肢がないわけでもないが、何か変化が起きる自身の気持ちに素直になり私で良かったら、と承諾した。
ナミは嬉しそうに当日の当番の時間が合わないようにスケジュールを組もうと言われ、歯痒さにもう一度頷く。
自分が行くと言えば彼女は笑ってくれたのでそっと安堵する。
文化祭に誘われるなんて昔は想像していなかったから、今の学校の生活が少し楽しく思えた事が自分の事ながらに驚いた。


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