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朝、学校に行く前にテーブルの上に置かれた封筒を見つけ首を傾げながら何だろうと開ける。
中には三枚の手紙の封筒があって、先日の婚姻届けをまた渡されたのかと辟易しながら手紙の裏を見るとローの字で「夜に番号順に開けろ」と書いてあった。
確かに手紙には番号で一、二、三とあり指定は夜なのだから今は開けなくても良い事に安堵と不安が募る。
学校へ登校しいつもの平凡な半日を過ごし帰る頃には手紙の事なんてすっかり頭から抜け落ちていた。
家に入りテーブルの上にある封筒を見て再び思い出すと、夜の時間に封を解く。


(なんか膨らみ?がある)


上から触った時もあった感触に、開けた場所を軽く斜めにし手の内に収まらせた。
ポトリと音もなく出てきたのは一輪の花だった。
どういう意味かと花を横に置いて、入っている紙を開く。


『おれがいない間、これを自分のかわりに置いていった。みっかかんかけてこの手紙をあけろ。じかんはいつでもいいが夕方か夜の方がいい。おれだとおもってくれ。ほんとーはつまらねえ場所になんて行きたくないが仕方ねえ。顔が見られなくなるのはつれーがみっかかんがまんする。その時はごほうびがほしい。けんとうしてくれ』

その他も長い文章があり一日目というのに三枚も書いてあった。
そんなに書くことなんてあるのかと疑問が出てくる程長々しくて、これなら生身の方の話しを適当に聞く方がずっと楽だ。
花についても書いてあり、これは開ける時のお楽しみ要素らしい。
小学生が思い付きそうで出来ないサプライズだ。
よくこんなマメな事が出来ると子供ながらに少し感心する。
花は枯れていなくて、萎れていないので生花ではなくドライフラワーだと気づいたリーシャは小さな花瓶を用意し、水を入れないでドライフラワーを挿した。
水を入れると机の上に置けないと考えた上のもので、枯れない事を思えば捨てるという手間をかけずに済む。
勉強机にそれを置くと久々に一人分のご飯を作った。






夜になり知ったのだが、リーシャがいつも使う枕が忽然とベッドから消えており、代わりにあったのは白い熊の柄があしらわれた枕が一つ。
犯人の、子供の顔が浮かびクラリと目眩がした。


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