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三日間ローが修学旅行に行くことになった事を聞いたのは三ヶ月前。
そして、修学旅行が明日に迫った今日。
朝からローはリーシャから離れず、終始後をちょこちょこと付いてくる。
いい加減にして欲しいと思うようになったのはトイレにまで付いて来たからだ。
「…………………一体何がしたいの」
「はなれたくねーだけだ。気にするな」
「気にするに決まってんでしょ。別にずっと会えないわけじゃないんだからここまでする必要はないと思うし」
ローが何故ベッタリと後を付いてくるのかは安易に想像出来た。
三日間も家に帰れない気持ちを埋めたいのかもしれない。
たった三日は幼い子供にとっては永く感じるのだろう。
ホームシックなんて、大人も子供もなると言う。
だからローが不安定な行動をすることに何ら不信感は感じない。
「なんのことかさっぱりわかんねーな。それより、ふろに入るぞ」
「…………はぁ?」
「だから」
「…………うっさい」
「…………じゃあ、ひとりさみしくふろにいってくる」
「はいはい、一人でゆっくりと入ってて」
適当に返事をして洗濯カゴに洗濯物を入れる。
とぼとぼと奈落に突き落とされたかのように影を背負い洗面所へ向かうローに小さく溜め息を溢した。
そして、修学旅行へ出発する朝に彼はまたもや無断で窓から侵入しリーシャを起こすと行ってくると言い、風の様に頬にキスを勝手にしてぎゅうううっと抱き締めてきた。
こっちの反応としては頭を強めに殴っておいたのだが、その殴られた頭をいとおしく撫で付けている彼はもう末期だと思う。
(にやついてるし)
「頭あらわねー」
「そしたら二度と家の敷居は跨がせないから」
「……じゃあだれにもふれさせねえ。頭はぜったいあらう」
「もう行けば?時間でしょーが」
律儀に聞かせてくる小学生の戯れ言を聞いていてはこっちも遅刻する。
さっさと家から追い出してしまおうと、立ち上がろうとするとまたキツく抱きついてきた。
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