×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
 
41


最近ローがハマっているものを知った、というより強制的に聞かされた
放送歴三年という戦隊もののアニメであり、かつて彼の部屋に訪問した時にあった白熊が隊長らしい。
タイトルは『ベポレンジャー』という情報をローから聞いてもいないのに聞かされた。
ふぅんと興味がないことを延々と聞かされ、疲れたのが分かる。
コキリと肩を鳴らすとローがマッサージする、と言い肩を揉む。
されるがままに受けていると、うとうと眠たくなってきた。
そのまま睡魔に引き寄せられると意識が沈むのを感じ、目を閉じたのが最後の記憶。
意識が浮上するのを感じていると、唇にふにふにとした感触がして、目をぼんやりと開ける。
目の前にはドアップなローがいて、何をしていたのだとまだ寝ぼけている頭で彼に訊ねれば何もしていない、と言われそう、と返事を返す。
眠気を今だ感じる脳は景色をぼやかされる。
ローが動き何をするのだ、と目で追っているとコップに水を汲むのが見えああ、と納得。
戻ってきた彼はリーシャに水を差し出すと先程と同じ場所に座る。
ごくりと水を飲むと乾いた喉が潤い一息つく。
至れり尽くせりなローの態度には前々から疑問を抱いていたが、やはり何故自分などに付いてくるのかが不思議だ。
訊ねる事も出来たが、質問しても期待できるような答えが帰ってこなさそうだったので止めた。
ベポレンジャーの話をされた時に聞きそびれた事を聞くことにする。


「ベポレンジャーって熊なの?」

「熊だけど喋る」

「ベポの由来はそういうことか」



犬のベポの名前がどこから来たのか漸くわかった。
ベポレンジャーは学校でも人気だとか、かっこいいのだとか、話しまくるローに頷きはしなかったが黙って聞いている自分の変化に溜め息をついた。


(ローに影響されてる?私が?)


最近、好きなものや嫌いなものについて聞かれた事は果てしなく面倒だったが、自分の事でなければまぁ容量の範囲は広いようだと初めて知った。
自分のことを少しだけ分かっていなかったのか、それともローと過ごすことにより開花したものか。
それを知る術はないが、ちょっとずつ絆されているのは確かなようだ。


prev next
[ back ] bkm