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ローは青いハチマキをしていたから青組らしく、その青組の方をジッと見詰めていた。
見事にたくさんの球を入れ終えた子供達がドキドキとした形相で先生達の手を数と共に見ている。



『五、六、七――』



一番多いチームは青組だった。
今のところ総合点は青組が有利なようで、一層クラスが沸き立つ。
誰か先手を打ったり計画を練る人間がいるのだろうかとさえ感じた。



『只今より、お昼の休憩に入ります』



アナウンスでお弁当を出し初める周りにリーシャはローの姿を探す。
先程までは目で追っていたのに今はどこにいるのかわからない。



「ローくん。わたしたち今からおべんとう食べるんだけど、いっしょに食べない?」

「おいしいものたくさんあるし」

「いいでしょ?」



ローの名前が聞こえ、その方向に顔を向けると女子に囲まれている男子がいた。
神々しい笑みと存在を放つローは熾烈な戦いの最中にいるようで囲んでいる女子達の目には花火が散っている。
詐欺師じゃなくて天然記念物に認定した方がいいんじゃないかと思う程取り合っていた。
こちらをちらりと見た彼と目が合えば、何を思ったか口を開く。



「けんかしないでくれ。それに、せっかくだけど“ぼく”はもう食べる場所が決まってるから」



来たよ、ボク言葉。
優等生のホワイトロー。
ブラックローの出現は学校ではないのだろうか。
宥める様子に女子陣はこちらを一斉に見た。
無表情で視線を受け流してお弁当をいそいそと開ける。



「“ぼく”のセワをしてくれているひとだから。それに、やくそくしたんだ。いっしょにたべるって」

「ローくん……」

「っ、そういうことなら……ねぇ?」

「うん」

「ローくん、やっぱりやさしーね……」



残念な気持ちと感激と関心した、混ぜたような表情をした少女達は諦めた空気を漂わせて向こうへ去っていく。



「………………それでいーんだ」

(騙されてるのに)



内心、辟易(へきえき)とその場面を見ていたが、ローがこちらへ来ると思わず口走る。



「ホワイトローのお出ましだ」

「なんだそれ」

「普段がブラックローで今みたいな性格をホワイトローって付けてみただけ」

「じゃあ、はいいローは」

「灰色?分かりにくい」



嫌な顔をされるかと思い気や、寧ろ喜んでいるように見えた。


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