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担任の先生が次の家を訪問する時間が近付いてきていると言うので玄関で見送った。
車で走り去る女性は屈託のない笑顔でローに手を振りリーシャには軽く頭を下げる。
ローも天使の笑顔で担任に手を振って家に入ると無表情でこっちを向いた。



「やっと帰ったか」

「………………………ませてるって、可愛い言葉だった事が今日わかった」

「なに言ってんだ。おれはこどもらしいこどもをおのぞみどーり、ちゅうじつにぐげんかしてやってるだけだぞ」

「具現化……ね。確かに理想の子供だけど、あれはテレビの中にしか存在しない幻だと思う」

「ふんっ。だからわざわざこのおれがみんながシアワセになることを代わりにしてやってるんだ」

「誰がそんなこと頼んだっけ?」

「さーな。でも悪いこともそんをすることもない。むしろ、たいぐうもせけんていもぜんぶいい。ぜんれいとして、おまえにさっきあたまをなでられた」

「……………味をしめたってわけ…………でも私の前じゃ、素顔でいるのは?」

「おまえだけがおれじしんをしっていればいいから」

「…………………そーですか」



何だか恥ずかしくなったのでお茶を片付けた。
ローもやはり付いてきて片付けを手伝うと言うのだが、三人分のお茶碗だけをシンクに持っていくだけなので人では必要ない。
そう言えば、じゃあ二つ持つと言うので仕方ないと渡す。



「そういえば、先生の粘土の話……あれ本当にやった?」

「ああ。でもあのおんなはまったく気づいてねー」

「それが凄い可哀相なんだけど……っていうか何で手伝ったの?」

「おもしろそうだったんでな」

「………………小悪魔よりも格上……」

「こうえーだ」

「光栄……いや、そもそも褒めてなかったし、照れる要因があるっけ?」

「きぎょーひみつ」

「……………そう」














もう、どうでも良い。


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