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 03

俺はそんなリーシャに近寄ると抱きしめた。

リーシャの身体がビクリと震えたが、気づかないフリをする。

「何があった」

「なにも、ないよ…」

「嘘をつくな」

「本当だよ」

「…じゃあなんでこんな所にいたんだ」

意地を張るリーシャに俺は逃れようのない言葉を問うと、リーシャは、うっ、と喉が詰まる気配がした。

クク…こいつは何年経ってもこうゆうところは全くかわらない。

俺は内心笑いながらリーシャの言葉を待った。

「ローには敵わないなぁ」

「フ、当たり前だ」

リーシャは、降参。と言うと俺の腕からスルリと抜けた。

そして前を向く。

「離婚、するんだって」

淡々といった口調で言われた言葉に俺は目を見開いた。

「いっつも両親がいつ離婚するのか不安だったけど、案外平気だった」

こいつは今どんな表情をしている?

「ね、ロー」

「なんだ」

俺が答えるとリーシャはようやくこっちへ向いた。

「今の言葉、嘘だよ」

リーシャは微笑んでいた。

「本当は悲しいし、悔しいし、別れないでほしかった」

「でも、今更私が何かをしてももう…」

俺は彼女の言葉に我慢出来なくなり最後まで言う前に己の胸の中に、今にも脆く砕けてしまいそうなリーシャを抱き寄せた。

「頑張ったな」

俺が一言、そう言うとリーシャが俺の服を握り締めた。

「うん…」

リーシャは小さく頷くと静かに涙を流した。



そして俺達はしばらく過ごすと、お互いの手を繋ぎ階段へと続く扉をくぐった。







冷たい手を繋いで






(一緒に住むか)

(え、)

(嫌か?)

(っ、ううん!住みたい!)

(じゃあ決まりだな)

(ふふ、ロー)

(あ?)

(ありがとう)

(…それほどでもねェよ)








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