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 02

店に戻ると店長に冷蔵庫に入れてきてくれと言われ素早く仕舞う。
カウンターに行き客の対応をする。
入口の扉が開いたのでいらっしいませと顔を向け、固まった。



「……………………」



固まっているままのリーシャとは違いモコモコの帽子を被る男は適当な席に座る。
店内がざわざわと騒がしくなり噂を囁き合う。



「トラファルガー・ローだ……」

「海賊が何故……?」



ここは軽いご飯や休憩をする場所であるから民間人の疑問は当然だろう。
リーシャには彼が自分を見たからこの店に入ったとしか思えなかった。
こちらをちらりと見ても驚かなかったし、メニュー表を渡した時には目を通さずにコーヒーとこちらを見詰めながら口にしたのだから。
はい、と緊張しながらもカウンターに戻りコーヒーを入れてテーブルに持っていく。



「座れよ」

「仕事中、ですので」

「この店がどうなってもいいのか」

「!」



何とも無法者らしい台詞に黙って椅子に座る。
それを見た男はニヤリと笑い、



「嘘だ」



と言い退けた。
拍子抜けしてしまいふ、と息をつくと顔を上げて久しい顔をまじまじと見る。
隈は相変わらず建材のようで長い間見ていた中で変わりない雰囲気もリーシャを少しだけ落ち着かせた。
名残というものは不思議だ、ローの今を知らないのに知っている部分があるだけで近付けたような気がする。
こちらの気が緩んだ事に気付いたのか彼が話しかけてきた。



「ずっとここに居たのか」

「うん。ずっとね」

「俺を待っていたんだな」

「…………何処からその自信が出て来るの」

「くくく」



彼はひとしきり笑うと前に体を傾けこちらに顔を近付けた。
当たりか、と呟いた顔はまさにドヤ顔で負けた気分だ。
自然と笑みが零れリーシャも当たりだよ、と認めた。
















昨日を見ずに歩けるように

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