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 01

先日、携帯のローと喧嘩をして仲直りを済ませたリーシャ。
今日はローの友達なのか舎弟なのか下僕なのか、立ち位置がよくわからないシャチと。
同じくローの友達で、物静かに見えて実は毒舌なペンギンが家に遊びにくる。
二人(?)とも携帯なので持ち主にはしっかり話をつけてくるそうだ。
珍しくローもローでリーシャに確認を取った。



「いいよな。あいつらが来るのはお前も嬉しいだろ?」



と。
もはや確認ではなく確定だ。
確認なんて取りゃしない。
ローらしいと言えばらしいが。
リーシャがソファで寛いでいると家のインターフォンが鳴った。
横で同じように寛いでいたローが出る。



「こんにちわー」

「お邪魔します」



ローの後からシャチとペンギンが歩いてきた。



「久しぶり。シャチくん、ペンギンくん」



二人に挨拶をするとローがシャチを見た。



「そういえばシャチ」

「なんすか?」

「お前ツイッター使ってんのか?」

「え……はい、使ってますけど……」



本題にいきなり入るローにシャチは困惑しつつ答えた。
リーシャも自分の携帯の考えていることが読めない。



「シャチ、お前。俺とリーシャのこと呟いてんだろ」


「え゙」

「ネタは上がってんだ」

「シャチ、諦めろ」

「ペ、ペンギンまで……!見捨てんなよっ」



断崖絶壁の端に立たされたような表情でペンギンに泣きつくシャチ。
そんなシャチを見下ろすローはニヤリと、そんじょそこらの携帯とは思えない笑みを浮かべていた。



「ロー。別にシャチくんは悪いことしてないと思うよ?」

「リーシャさんっ」



ふるふると涙目のシャチがリーシャを見る。
パァッと明るい表情になった可哀相な携帯にピキリと青筋を立てる黒い携帯。



「シャチ。てめェ、リーシャにしっぽ振ってんじゃねェよ」

「何言ってんすか、携帯にしっぽなんてあるわけないじゃないですか。あるのはストラップくらいですよ……ってェ!?」



言葉の最後にシャチがうめき声を上げたのはペンギンが頭を叩いたからである。



「馬鹿か」

「何すんだよ!」

「ローさん見てみろ」

「……やべっ」



シャチがそろりと前を向くとぶわっと汗が噴き出すのが見えた。

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