▼ 02
「私は酔った船長とは間違いを起こしたくありません」
ローが茫然としている中、更に彼女が言う。
(好き……こいつが、俺を?)
だが、先程リーシャが言った言葉がローの頭の中を巡っていたため、彼女の言葉はあまり聞こえていなかった。
「船長……?」
フリーズしたローをリーシャは怪訝そうに覗き込む。
すると意識を戻したローがリーシャに確かめるように尋ねる。
「お前は……俺が好き、なのか」
「っ、二度も同じことを言わせないでください!」
彼女は怒ったように言った。
いや、照れているのだろうか?
(今はそんなことはいい……)
俺はどんどん口元が緩んでいく様子を感じ、リーシャにキスをした。
「えっ!」
リーシャは驚きながら口を手で覆った。
「俺もだ」
その隙に彼女の耳で囁くと、リーシャは一瞬目を見開き、そして――。
嫉妬に欲情(じゃあまずは私の上からどいてくださいね)
(……却下だ)
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