▼ 01
「ペンギンさん!」
「どうしたリーシャ?」
「これなんですけど…」
「あぁ、これはこうして…こうすればいい」
リーシャがペンギンに海図の書き方を教えてもらっている。
「あ!そうだったんですね……ありがとうございました!」
彼女が頭を下げるとペンギンは、その頭を撫でる。
「頑張れよ」
「はい!」
するとリーシャは嬉しそうに返事をする。
(イライラする……)
ローはそんな二人の様子に胸がムカムカした。
もちろん、その原因はわかっている。
俺は酒を手にリーシャを見つめる。
「あ!船長、なにしてるんですか?」
さっきまでペンギンと話していたリーシャがローに気づき、駆け寄ってきた。
この無邪気な瞳に俺は写っているのか……?
ローはリーシャに恋心を抱いていた。
でも肝心の彼女はおそらくペンギンのことが好きだろう。
(ちっ、)
ローは余計に腹が立った。
どうして自分のものにならない?
そう思ったローは不思議そうに尋ねてきたリーシャに答えず、ぐっと彼女の腕を握る。
「え、せ、船長?」
驚きに顔を見上げるリーシャに構わずローは彼女の腕を掴んだまま自室へと向かう。
「どうした……きゃっ!」
扉を乱暴に開くと、リーシャをベッドに押し倒した。
「船長……何を……」
彼女の瞳に怯えた感情が見えた。
(もう限界だ……)
リーシャの気持ちに気づかないフリをして、自分の手を彼女の太ももに滑らせる。
「あっ……ふぅ……っ」
リーシャの声にローは欲情した。
「っ……リーシャ……」
ローは堪らなず、愛しい名を呼ぶ。
「船長……ロー……」
「……!」
突然名前を呼ばれたローは驚いて手を止める。
「船長、このまま流されてするのは嫌なんです……」
彼女の言葉にローはゆっくりと太ももに滑らせていた手をリーシャの頬に持っていく。
「流したりしねぇ。……なぁ、お前はペンギンのことが……」
ローが真剣な瞳でリーシャを見る。
(わかっている)
ローはそう思いながら彼女に言うと、リーシャは目を見開いた。
「なに言ってるんですか?……私はちゃんと船長の気持ちを知りたいんです。私は船長のことが好きだから」
「は?」
ローは自分の思っていた言葉と違った言葉を発したリーシャに目が点になった。
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