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 01

「前方に海賊船を確認!こちらへ向かってきています!!」

ルーキーであるユースタス・キッドの船の見張りから敵であろう者が迫ってきていることが容易に想像できた。

「だそうだ、キッド」

この船の船長に話し掛けるマスクを被った男、殺戮武人キラーはキッドの言葉を待つ。

「はっ、とんだ命知らずだな」

キッドは鼻で笑うと椅子から立ち上がった。

「野郎共!存分に暴れろ」

その一声で周りのクルー達は一斉に戦闘の準備を始める。

そして二つの船がお互いに同じ位置に着いた時だった。

「相変わらず血の気が多いな、ユースタス屋」

「てめぇかトラファルガー」

もう一つの船はキッドと同じくルーキーと巷で騒がれているトラファルガー・ローだった。

お互いに船長とクルー達に険悪なムードが立ち込め始める。



「お頭〜、海賊船が近づいてるって本当です…か?」

そんな時キッドの船の扉から、この場に似つかわしくないコロコロと鈴の音のような声が響いた。


「ちっ…リーシャ!てめぇ、勝手に出てくるなっつっただろうが!」

「うっ、すすすいません!」

リーシャと呼ばれた女性はこの船の雰囲気と全く異なった服装で慌てて謝っていた。

「お前…看護師か?」

「あ、はい…」

リーシャは突然トラファルガーが話し掛けてきたことに戸惑いつつも言葉を返した。

「おいリーシャ!返事すんじゃねェよ!!」

「ご、ごめんなさい、お頭ぁ!」

キッドに怒られたリーシャが恐縮していると

「ROOM」

キッドの目の前にいたリーシャが一瞬で樽になる。

「えぇ〜!」

すぐにトラファルガーの能力だと理解したキッドはびっくりして叫んでいるリーシャの体を抱いている主犯を睨みつけた。

「なんのつもりだトラファルガー…」

「フフ…そう睨むなユースタス屋ァ、ただこいつが気に入ったから貰っていくだけだ」

「は!?ちょ、待ってください!私の意見は…!」

リーシャが言い終わる前にキッドは、させるかよ!とナイフを投げてきた。

しかしトラファルガーはそのナイフを軽く避ける。

「クク…じゃあな、ユースタス屋」

トラファルガーはそう言葉を残すと潜水艦へと仲間共々と入っていく。

「キラー!」

「わかっている」

キラーはリーシャの後を追おうとするが、扉が閉まった瞬間、船が浸水していった。

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