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 03

「おい!リーシャっ!サラ!シン!どこにいる!」

船に残っていたクルーから敵襲だと電伝虫から伝えられた俺は、急いで船へ戻ると、クルー達がほとんどの奴を倒した後に船が離れて行ったと聞きくとリーシャと子供の安否を確かめるように叫ぶ。

だが反応がない。

「くそっ!」

すべての部屋を探したが誰一人見つからなかった。



***



「帰して…」

「まだそんな事を」

「っ!」

リーシャは悔しさに唇を噛み締めた。

そんなリーシャの両脇には双子の子供が。

私が気を失った時に連れてきたのだろう。

子供を守れなかった…。

リーシャは男を睨む。

「無駄無駄」

男は嘲笑う。

「マ、ママぁ!」

「大丈夫よ、シン。必ずパパが…」

「ガキは黙ってろ!」

男の声に二人は泣き出す。

「っ、この子達だけも逃がして…」

リーシャは子供を抱える手にギュッと力を入れる。

「だめだ。そのガキは人質なんだよ?」

口調は柔らかいのに目が冷たい。

リーシャがどうしようと思案を巡らせているときだった。

「せ、船長!」

「なんだ」

クルーらしき男が部屋に駆け込んできた。

「ハートの海賊団が来ました!!」

「早いな」

リーシャはその言葉に密かに安堵する。

二人の子供も同じように笑う。

その時だった――。

――ドカッ!

「ぐあっ!」

今しがた扉の前にいた下っ端の男は呻きながら床に倒れ込んだ。

「返してもらおうか」

「ロー…!」

「「パパ!!」」

どうやらローが気絶させたようだった。

「ぐっ…させるわけにはいかないなっ!」

男は剣を抜いてローに切り掛かる。

――ガキン!

刃と刃が交差する。

「何枚に卸されたい?」

ひやりとする声

だがその金属音が聞こえなくなるのは時間の問題だ。

「なっ!?」

ローが能力を発動して相手がバラバラになるのを見据えるとローは私達の元へと歩み寄る。

「パパっ!」

「怖かったよぉ!!」

「頑張ったな。えらいぞ」

涙ぐむ双子をローは優しく迎え入れる。

そしてローは私に顔を向けて、双子を抱いたまま私ごと抱きしめた。



***



「パパ!絵本読んで!」

「サラだけずるいぞ!僕も!」

いつもの光景にリーシャは口元を緩める。

「わかったから今から言うことに答えろよ?」

「「はーい!」」

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