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 02

「誰だってまたには違う香水を使う時がある……まさか、俺が浮気してるとでも言いてェのか」

「それ以外に、何があるわけ?」

「はやとちりも良いところだ。俺は浮気もしてねェし素っ気なくした覚えもねェ。勘違いも大概にしろよ、リーシャ」

「何が勘違いよ。もういい……私、船を降りる」

「あ?」

「なによ、何よ!女はねっ、言葉にしてくれなきゃ不安なこともあるのよ……バカッ」



ローの脇を走ってすり抜け扉へ向かう。





「バカって言うお前が一番馬鹿だ」



また腕を掴まれるかと予想して、腕を掴まれないように動かすと背中に温かい衝撃が当たり腰に抱擁感と耳の裏に吐息を感じた。
私は今、抱きしめられているのだと瞬時に理解すると顔が赤くなる。
こんな風に抱きしめられるのは初めてだったから。



「よく聞け……馬鹿女。俺が抱きしめんのも、嫉妬すんのも……お前だけだ」

「し、しっ……と?したの……」

「ペンギンに頼りやがって。鈍感なのはてめェだ」

「……は、はい」



緊張して、いきなりの言葉に頭がぐちゃぐちゃだ。
ローが嫉妬……するなんて。



改めて思い出すと顔から煙が吹き出しそうなくらい恥ずかしくなる。
だって、初めて心の内を聞かされたんだもん。



「ちゃんと頭に入れとけ」

「う、入れときます」



勘違いを起こしたのは私の方でした。








こんな日でも

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