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 青春って青い春

「た、た、た」

「タ行ばっかじゃナ行にいつまでも行き着かねェな」

「違うっ、ちっがああーう!」

「リーシャ、ご飯粒が頬に」

「あ、ペンギン……ありがとう」

「フッ」

「ローに笑われた!」



今日は一年に一度の体育祭。



「体育祭って言いたかったの!感極まりすぎて言えなかったの!」

「……ガキか」

「私ら子供じゃん」

「まだこれからプログラムが詰まってる。叫ぶと体力が消耗するぞ」

「キラー……冷静」

「ユースタス屋は随分と叫んでたが?」



ローがキッドに指を向けて言えばキラーは首を振り断言した。



「あれは葛だ」

「自分じゃなくて敵に?」



疑問をぶつけるとキッドを見遣る。
喧嘩をふっかけているようにしか見えない。
これぞ青春!なわけではないが青春……の部類には入るだろう。
お昼を食べ終わると昼の部が始まり『長距離』がプログラムに組まれている。
長距離が苦手な自分に変わりローやペンギンが代表として参加した。
二人揃って女子の人気は高いので歓声がグラウンドを響かせる。
流石はイケメン効果と言ったところか。



「頑張ってー、二人ともーっ」

「ちょっと、あんたローくとペンギンくんに近付かないでくれる?」



ロー達が居ないことを知ってか熱烈な二人のファンであろう女子達がリーシャを取り囲んでいた。
こんなことはザラにあるので慣れたものだ。
それよりか、目が段々と半目になり気持ちがスッと冷えていく。
勘違いをしている女子達はリーシャが彼等に引っ付いていると思っているが、全く違う。
寧ろ引っ付いてないし、自然と仲間や友達として接しているだけだ。



「リーシャ」

「走り切った。ところでお前達はこいつに用か?俺達にも教えてくれ、よければ」

「トラファルガーくん、ペンギンくんっ」

「い、いこ!」

「うん……」



いつの間にか競技を終えていたロー達が彼女達の真後ろにいた。
頼もしいヒーローに称賛を伝える。



「さすがイケメンズ」

「イケメンズ……褒めてるのか?」

「当たり前だろペンギン。こいつは脳天気だからな」



失礼極まりない発言をスルーしてリーシャはさっさと自分の出番が控えている次の競技場所に向かう。
その時、二人に後ろから呼び止められた。



「頑張ってこい」

「ゴールテープは切れよ」








ああ、これが青春かと知らずのうちに笑みがもれた

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