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 それは本当に本心?

「うえーん!」

「どうして泣く。いつ泣く事があった」

「うっさいロー、ばかぁ!」

「お前が馬鹿」

「うわあああ!」



何年経っても幼なじみに勝てない私はいつも泣かされてばかり。



「私の欲しかったゲーム予約出来なかった」

「お前がトロいから」

「そしたらロー、ゲーム持ってた」

「たまたまだ」

「たまたまで手に入るゲームだったら予約締め切られてなーい!」



ゲーム屋さんにまでわざわざ在庫を確かめにいかなくては手に入らないものなのに。
だいたいローは好んでゲームしない。



「なんで恋愛ゲームなんて買うわけ!?意味わかんないっ。モテるのに!」



それに、そのゲームは女性向けの恋愛ゲームだ。
ローがするような種類ではないと思う。



「うるせェな。欲しいんだろ、やるよ」

「……え?」

「今日お前丁度誕生日だし、プレゼントだ」

「お、覚えてたんだ」

「はァ?何調子乗ってんだよ。たまたまに決まってんだろ」

「う、うん」



ローが部屋から出ていく姿を呆然と見送る。
驚いて涙が引っ込んだ。
ちらりと見えた部屋のカレンダーを見ると今日の日付に赤い丸が印されていた。
近付いて見てみると小さく『誕生日』と書いていたので顔が赤くなるまで時間はかからない。
どうしよう。
次会ったらどんな顔を向ければいいのか。
そういえば毎年偶然にも誕生日の日に何かをローから成り行きで貰うことがあった事を思い出す。



「!……ロー!」



感極まり思わず叫べば、ぶっきらぼうな返事が帰ってくる。
部屋に再び戻ってきた彼に衝動的に抱き着けば後はずっと胸に押し込めていた言葉を言うだけ。



「好きだよっ、ロー!」



そうすればローが目を見開いて「遅ェよバカ」と背中に手を回してギュッと抱きしめられた。








偶然と言う名の不器用に囲まれていたことを知りました

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