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 邂逅も離別も僕らの運命だった

「別れよう」

「……はァ?」



ローは目の前にいる自分の彼女を見る。
心底信じられない話を切り出された。
今までそんな雰囲気を微塵も出した覚えなどない。



「リーシャ。何言ってんのかわかってんのか」



時は平成。
パソコンや携帯が溢れている世界。



「うん。だってロー、私のこともう愛してないでしょ?知ってるんだから」


「薮から棒に何なんだ」

「いきなりじゃない」

「俺に不満でもあるってか?」

「あるよ。当然」



まるで今更、とでも言いたげなリーシャにローは信じられない思いだ。
自分が一体何をしたというのか。



(別れる?)



ローが先程の言葉を反響させているとリーシャが、うんざりしたように呟いた。



「ロー、私ね。疲れた」

「……!!」

「女の子からイジメとか嫌がらせとか、もうね、耐えられないの」



学生が本業である二人は当然、未成年。
ローは昔からモテた。
それゆえ、リーシャが妬みや恨みを買う事が多い。
クラスや女子、色んな人間から酷い仕打ちを受けている。
ローも前々からその話は耳に入っていたし、実際に嫌がらせの数々を見た。
それに、限界がとうとう来てしまったのだろう。



「お願い、私と……別れて……」



哀願され、ローは頷く事しかできなかった。
これ以上は自分のせいで彼女が傷付く姿を見ていられなかったのだ。



「ありがとう……ごめんなさい……」

「謝るな。お前じゃなくて俺が全部悪いんだ」



罪悪感を背負わすような真似をして、本当に悔しくて辛い。
自分がもし彼女を幸せに出来る方法があるならば――。



「なァ、リーシャ。最後に俺の頼みを聞いてくれるか?」

「……うん」



縋る気持ちだった。



「俺達が卒業したら、また付き合ってほしい」

「………」

「無理にとは言わねェ。今度は絶対ェに幸せにしてやる」



そして、彼女は一つの涙を流して静かに頷いた。







だから、その日までは僕が幸せを掴んでおくから





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