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 熱に浮される

「大丈夫ですか船長ー」

「あちィ……」



先程から呼び掛けても今のような言葉しか発さないロー船長。


ここは夏島で船長はノースブルー出身だからバテるのは致し方ない。


パタパタと団扇で扇いでいるが暑さに免疫がない彼にはあまり意味をなさないようだ。



「かき氷でも持ってきましょうか?」



悪魔の実の能力者でもある船長は海に入れない為体を冷やす手段は限られる。


一言断りを入れて立ち上がろうとすればパシリと掴まれた腕。



「なんですか船長?」

「かき氷より……が」

「え?よく聞こえません」



耳を近付ければグイッと引かれた腕に私は船長の上に馬乗りになる。



「わっ!いきなり何なんですかぁ!」



意義を申し立てればそこにはニヤリと不適に口元を上げる船長。



「かき氷より、お前からのキスが欲しい」

「なっ……!」



普段自分から求めない船長がキスをねだるなんて。


私達は所謂恋人だが、こんな風に言われるのは初めてだ。



「暑くておかしくなったんですか、船長」

「ククッ……そうかもな」



うっすらと汗ばんだ体の船長は意地悪そうに笑って私をその綺麗な指先で誘う。



「おかしくなっちまったから、なんとかしてくれよ?」



顎に指先が添えられ私は彼が導くままにその唇へと向かう。



「じゃあ、私も暑さでおかしくなったんでどうにかしてください」



笑みを浮かべながらそう言うと船長は「じゃあ仕方ねェな」と私を組み敷いてかき氷よりも甘いキスをくれた。








お嬢さん、甘い甘いかき氷はいかが?





(あちィ……)

(結局振り出しに戻るわけですか)

(本物のかき氷が食いてェ……)

(はいはい、今持って来ますよ)

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