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 月と愛妻家

『ありったけの愛してる』の続編です





「うんしょ……」

リーシャは大きなお腹を気遣いながら洗濯物を運ぶ。

「あっ!」

突然、横からひょいっと洗濯カゴを奪われた。

しかし、相手はわかっておりリーシャは非難の声を上げる。

「ロー、私の仕事を取らないで!」

「安静にしてろ」

「動いた方が赤ちゃんにもいいんだから!」

「お前が倒れたら話しにならないだろ」

「全く動かないなんて、落ち着かないのよ」

「……はァ」

ローは呆れたようにため息をつく。

「ほら、ちょうだい」

「駄目だ。俺がやる」

「え?ローが?」

「あァ」

「ついに父親として自覚し始めた?」

「さァな。とにかく安静にしてろ。いいな」

「はいはい」

「たく……もうお前一人の体じゃねェんだ」

「あ、その言葉一回は言われてみたかったんだよね!」

「………」

(もう無駄だな……)

ローはリーシャの頑固な性格を知っている為、これ以上は何も言うまいと口を閉じた。

「あれれ?ローパパは心配性ですね〜」

リーシャはお腹を摩りながら言い聞かせるように言う。

「俺は赤ん坊よりお前の方が大事なんだよ」

「ふふっ、ローのそういうところ大好きだよ」

リーシャが微笑みながら言うとローは少し膨らんだお腹に手を置いて愛おしそうに目を細めた。












そのときの貴方は本当に父親のような顔をしていた






















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