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 ありったけの愛してる

「うーん……」
「おい、大丈夫か?」
「なんとか、へーき……」

じゃない―本当は。

なんだか気持ち悪い。
恋人のローにはお見通しなのだろうけれど。

「嘘吐け」
「あははっ、ばれた?」

ほらやっぱり優しい。
私がとぼけるように笑うとローはちゅっ、とおでこにキスしてきた。

「どーしたの?」
「ただしたくなっただけだ」
「ふふっ、そっか」

ローは私に対して甘い。
いつもなにかあると私よりいちはやく先回りをしている。

「もう一回キスしていいか?」
「さっきは勝手にしたのに……」

「そんなもん忘れた」

そう言って私に何度もキスを降らすロー。

顔、手、髪、体は服の上からだけれど。

そして最後はなぜかお腹の上だった。

「ロー?」

不思議に思った私はローを見る。

「自分の子にもついでだ……」

「え?」

ローの言葉に私はまさか、と自分のお腹を見る。

「う、嘘……」
「俺は医者だ。診断に間違いはねェ」

優しい顔をして私のお腹をゆるゆると撫でるロー。

「っ、う、産んでいいのっ?」

ローのその表情を見て、視界が潤む。

「当たりだ。俺達のガキだからな」

まるで悪戯っ子のように笑う彼。
そんなローを見ていると、ふいに彼の手が私の頭に乗るのが見えた。

「安心しろ。お前もガキも幸せにしてやる」
「っ……」

泣き出す私をローはギュッと抱きしめて、私の髪をずっと撫でていてくれた。

そんな彼に私は自分の体に新しい生命の誕生を、未来を想像して、すごく心が暖かくなった。

私達の子、早く生まれてきて。そして愛情をたくさん教えてあげるから

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