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照れた様子のローの耳は微かに赤くなっていた。
ジェイドとリーシャはお互い顔を見合わせると密かに笑い合う。
なんとも微笑ましい。



「じゃあそろそろ食べようか」

「そうですね」



ジェイドが椅子に着くとローとリーシャも椅子に座った。
そして、ケーキを切り各皿に乗せていく。
ジェイドがリーシャとローの二人におめでとう、と祝いの言葉を送った。
リーシャはありがとう、と言いローはあァ、と毎年と変わらずに返事をした。





食べ終わり、一息つくころにはだいぶ時間が過ぎていた。
ローは片付けを手伝うと申し出てくれたが、眠そうに目を擦っていたので大丈夫だと先に寝るようにリーシャは首を振った。ローは渋ったが、結局は睡魔に勝てずにフラフラと寝室へ向かっていった。



「やっぱり子供は夜更かし駄目だよね」



ぽつりと呟いた言葉にリーシャは、自分は子供という分類に入るのだろうかと疑問を感じた。
精神年齢は二十歳ぐらいで実年齢は十三歳という複雑な身体。
これから成長すれば精神年齢に追いつくが、ボロを出さないようにしなくてはならないかもしれない。
バレてしまえば大変なことになるだろう。



「リーシャちゃん」

「あ、ジェイドさん……」



三年が経つ今は、ジェイドはリーシャを実の娘のように接してくれているのだとありありと感じとれる。
昔から変わらずに、優しい医者だ。
それにジェイドの柔らかな笑みはリーシャも大好きだし、それを見れば胸に暖かい炎が灯ったような気持ちになる。



「リーシャちゃんも寝なさい。後は私がやっておこう」

「いえ、いいんです。私がやりたいだけですから」



気遣いの言葉に首を振るリーシャ。
その反応にジェイドは困ったような表情をした。



「家には凄く頑張り屋さんな女性がいるからと、私は自慢しているんだよ」

「えっ」



ジェイドのいきなりな発言にリーシャは洗い物をしていた手を止める。
顔を彼の方へ向けるとその表情はニッコリと、ローとはまた違った笑みをしていた。



「そんな、自慢、だなんて……」



リーシャは喜びそうになる声を必死に抑えながら洗い物を再開した。



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