×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
 
47


「ケーキは何がいい?」

「生クリームたっぷり」

「今年はチョコレートケーキが食べてみたいね」



この家でリーシャは三回目の誕生日を迎えるにあたり、毎年リーシャが腕を振るってケーキを作る。
その度にロー達にリクエストを尋ねるのだ。
今日はチョコレートケーキの生クリームたっぷりがリクエストのようで、ローはいつも同じリクエストだが、ジェイドがケーキの内容を言う。
だから、毎年生クリームたっぷりが定番になっている。



「了解です」



リーシャはルンルンと、機嫌良く材料を混ぜていく。
ジェイドが今日は病院を休みにしてくれたので、彼は一日中いる。
患者やジェイドには悪いと感じるが、この時は嬉しさが勝つ。



「じゃあ私は書斎でやることを済ませてくるよ」

「あ、はい。出来たら呼びに行きますね」

「あぁ。楽しみにしているよ」



今だ敬語が抜け切れてないのは、もう癖としか言いようがない。
しかし、ジェイドはリーシャに強要しないので、そのまま敬語で話しているのだ。



「俺も手伝う」



ジェイドが書斎に行った後、ローがリーシャの隣に並んだ。



「ありがとう。じゃあ卵割ってもらっていい?」

「あぁ」



ローはよく、リーシャが何がしていると手伝いに来ることが多い。
その様子や仕草が可愛くて、なんとも頼もしい。
ちらりと後ろを見れば、ベポはソファでくつろいでいた。



「ローくんは手が器用だね」

「細かい作業を手伝ってるからな」



ローはジェイドの手伝いもしていた。
ジェイドの仕事を見たりと、観察をしているところをリーシャはよく見掛ける。



「ローくんは、医者にもなるの?」

「海賊兼医者になるつもりだ」

「凄いね」



素直に感心すれば、ローは顔を赤くして照れたようにそっぽを向く。
可愛いなぁ。
リーシャはくすりと笑みを漏らす。



「全部割ったぞ」

「ありがとう。次は卵を溶いてもらっていい?」

「ん」



ローの頷く動作にリーシャはまた笑った。


「溶いた」

「じゃあ薄力粉を入れて、砂糖も……」

「やる」

「ふふ……じゃあ頼もうかな」



prev next
[ back ] bkm