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「勉強会に参加できてよかった」

「ふぅん」



上級年齢の勉強会が終わった頃にはすでに空はオレンジになっていた。
隣で帰り道を歩くローが素っ気ない返事をしたことに違和感を感じ顔を伺う。



「どうしたの?」

「なにが」

「不機嫌そうだよ」

「別に……」



ローは後ろめたいことがあるとそう口にすることを知らないようでリーシャはふふ、と笑う。



「なんで笑うんだ」

「なんとなくかな」

「………お前は俺だけが――」

「え?」



何か言いかけて口を閉じたローにリーシャは口を開けてその言葉の続きを考えたが思いつかない。
ローはそれ以降家に帰るまで思い詰めた表情をしていたからリーシャも話し掛けることはしなかった。
一体ローは何を言いたかったのだろうか。
家に着くとリーシャは夕飯の用意をしてローもいつものように本を片手にソファに座って夕飯ができるまでベポと一緒に読んでいた。
まだベポは字が読めないからただ隣に座って渡した絵本を読んでいたのだけど、その姿が場を和ませるのにリーシャは先程のローの表情と言葉なんてすっかり忘れていて目を細めて頬を緩め二人を見る。
ジェイドが帰ってくるとローとベポとリーシャと四人でテーブルを囲み今日の夕飯であるパスタを食べた。
ベポは口の周りにナポリタンの真っ赤なソースを付けてローに「拭けよ」と口を拭い。
ジェイドもナポリタンを褒めてくれて茹で加減もよかったし一日の終わりは清々しかった。



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