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「あらローくんじゃないの」



勉強会の場所へ着けば、そこは広い公園だった。
一歩そこへ入れば、ちょうど小学校にあるような黒板が木に掛かっている場所に二十代ぐらいの女性がいた。



「ローザ先生、今日はリーシャも勉強参加するからな」

「リーシャちゃんって一緒に住んでる子でしょ?」

「そうだ。知ってるだろ」



ローザ先生と呼ばれた人がこちらを向くと、お辞儀をした。



「初めまして、リーシャと言います。ご迷惑でなければ今日は勉強会に参加させてもらってもよろしいでしょうか?」

「まぁ、私はローザ。それはいいけれど……貴女いくつ?」



驚いた表情をするローザにリーシャは内心しまったと冷や汗をかく。



「十一歳、です……」

「そう、とてもしっかりしているのね。凄いわ」

「ありがとうございます」



しっかりしている子だとだけしか認識されなかったことに内心安心した。
ローザとリーシャが自己紹介し終わる頃にぞろぞろとローと同じ歳くらいの子供達がやってきた。



「あ、ローくんがいる!」

「トラファルガーなんでいんだ?」

「この前の勉強会来なかっただろ」



次々とローに話し掛けてくる子供達。
そのたびに誰この人?という視線を浴びるリーシャにローは「別に気にするな」と紹介するでもなく子供達の質問をはぐらかしていた。



「私はローくんの家族だって言えばよかったのに」

「それであれこれ聞かれるのが面倒臭い」

「だけど……」



う〜ん、と悩んでいれば勉強会が始まる合図であろう鈴の音をローザが鳴らすのが聞こえそこまでとなった。



「じゃあ今日は海賊についてです」

「海賊だってよー!」

「かっけー!」

「やだこわぁい……」

「お母さんが……」



様々な反応がある中ローの反応を見る為にチラリと目を横に向ければ皆と同じように体育座りをして無表情のいつものローがいて拍子抜けした。



(怒るかと思ったけど……)



意外に反応はなかったことにリーシャは感心と同時に疑問を感じた。
勉強会が終わると次に好奇心の塊である子供達の興味はリーシャに移った。



「トラファルガーくん来週家に遊びに来ない?」

「ローくんやっぱりかっこいいね」

「ねー!」



それとロー。
これも意外だが、バレンタインの事件を思い出せば納得ができた。



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