×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -
 
33改


「ローさまー!!」

「うざい」



――バチ



「いたぁい!……でもこの痛さも好きですわ!」

「ついにMに走ったか」

「Mってなんですのローさま?」

「ア、アリシアちゃん!お菓子があるから食べない?」



ローの教育上悪い言葉にリーシャは慌てて作ったお菓子を進めた。
でも、ローもローで何故そんな言葉を知ってるのか。



「けっこうですわ。貴女が作ったお菓子なんて家のシェフが作ったお菓子程には及びませんわ」

「そ、そうですか……」



アリシアのあからさまな対抗心にリーシャは苦笑する。



「誰も、お前なんかにやらねェ。つーか帰れようざい」

「まぁローさま!そんなはしたないお菓子より家のサウスブルーから取り寄せたお菓子を持って来ましたわ!」

「いらねェよ……」



疲れた表情をしながらローは、お菓子を食べる為に椅子に座った。


「あいつうざい」

「本当に一直線だね」



サクサクとクッキーを食べるローにリーシャはふふふ、と笑う。



「俺は嫌いだ」

「え、ローさま……!」



何気なく言ったローの言葉に、ガーンと効果音を響かせながら落ち込むアリシア。



「ロ、ローくんなにもそこまで……」

「ううっ……ローさまなんて、ローさまなんて……格好良すぎますわぁ!」




落ち込んだと思っていたら、目をハートに変えたアリシアがローに向かって走ってきた。



――ゴン



「うざい」



冒頭と同じ言葉に、ローがガードをするために手に持ったお盆がアリシアの顔に激突した。



「いたぁい!……でもでも耐えてみせますわ!」

「うざい」

「あはは……」



全く反対の反応をする二人に、今日も一日賑やかになるなぁ、と窓の外を見た。

積極的な少女と私達。



prev next
[ back ] bkm