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「やった、あがり!」

「強いんだねリーシャちゃんは」

「運がいいだけだろ」

「む、ローくん私に負けたからって悲願じゃ駄目だよ」

「誰がだ」



今、リーシャとローとジェイドでトランプゲームをしているところだった。
ババヌキだからリーシャでもルールを知っているし、楽しい。
一回目から一抜けをしたので運が向いているのだと上機嫌で次のゲームを進める。



「次は何をするんだ?」

「うーん……神経衰弱かな?」

「それならローが得意だね」



リーシャはジェイドの言葉を聞きながら、この世界とリーシャの元の世界のトランプゲームのレパートリーは全く一緒なんだなと思っていた。



(だから私もできるんだけどね……)



トランプをシャッフルして円の真ん中に置いていけばゲーム開始。
さすがにジェイドは大人らしくリーシャ達に手を抜いてくれているのだとすぐにわかった。



「これと、これ……違った」

「これとこれだな」

「え、また……!」



しばらく神経衰弱をしていれば徐々にわかってくるローの記憶力の良さ。
ほとんど一度引いたものを覚えているのだ。



「あーあ、負けちゃった」

「俺に勝とうなんて十年早い」

「あはは……二人を見ていると面白いね」



ジェイドがそう言いながら笑うものだから、リーシャとローはお互いぱちくりと目を開けて顔を見合った。



「さてと、次は何をするんだい?」

「えっと……「ポーカー」

「え?」



ローが言葉を言う前にゲームを決めた。
リーシャはそれにも驚いたが、何故かジェイドに挑戦するような目をしながら言っていたから疑問に感じた。
リーシャはポーカーは苦手だからと断れば、二人は凄く楽しそうに手札を覗き込んでいた。



「親父、手加減するなよ」

「ふふ……ローはね、私にポーカーで負けた事を今でも根に持っていてね」



唖然とするリーシャにジェイドはローの言葉に笑い、説明してくれた。



(ローくん負けず嫌いなんだ……)



ローが真剣にカードを出している姿に微笑ましく感じたリーシャだった。

結局ジェイドが勝ってローはしばらく落ち込んでいた後日。



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