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28改


今日も朝からジェイドを見送り、それから午後と時間が経過した今、リーシャはキッチンで昼ご飯を作る用意をしていた。

「――んで次はこいつだ」

「アイ」

ソファにはベポに読み書きを手配書で教えているロー。

(もっと違う教え方ないのかな……)

いくらなんでも手配書なんて教育上悪い気がする。

「次はこいつ――赤髪のシャンクスだ」

「っ……!」

――ガシャアン!

思わず食器を手から滑らせてしまった。

「大丈夫か?」

聞いてくるローに「大丈夫だよ」と慌てて笑う。

(赤髪……)

シャンクス。
ワンピースを知っている人なら誰でも知っている人物。
リーシャはドキドキと甘い、なんて感情ではなく冷や汗が流れる感覚を感じるような動悸がした。

(今ルフィがいくつかわかるかも……)

これで正確なこの世界の時間がわかるかもしれない。
リーシャはゆっくりと二人がいるソファに向かう。

「どうかしたか」

「ベポ?」

二人がこちらへ向くとリーシャは手配書を見せて、と言った。

「ほら」

「ありがとう……」

手配書を受け取るとシャンクスが写っている写真を見た。

「……!――ない」

麦藁帽子が。

「ないって何がだ?」

「え、あ……昔この人麦藁帽子を被っていたような気がしたから……」

リーシャの言葉にあぁ、と納得したように答えた。

「確かに被ってないな」

「いつから?」

「ほんの数ヶ月前ぐらいだ」

「………」

「リーシャ?」

「あっ!うん。ありがとう……これ返すね」

リーシャは取り繕くように笑うとキッチンへ再び戻った。

(つまり……今ルフィは――)

「まだ子供……ってこと?」

ということは、ゾロもまだ剣道場で修業していて、ウソップは毎日嘘をついていてナミはアーロン一味に苦しめられていてサンジはもうすぐあのバラティエに行く頃で、チョッパーももうすぐ運命の出会いがありロビンは辛く悲しい人生が続いているということになる。
あとの人達も全員何かが起きている今、リーシャも同じようにこの奇妙な身体の現象と共に世界に来た。
何か意味があるのかと感じるのは自意識過剰か、はたまた、本当に何かが始まるのか。



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