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19改


「痒い所はない?」

「……ない」

ローは照れているのかリーシャの問い掛けに素っ気なく返してくる。
もし自分に弟がいたらこんな感じだったのだろうか。
小さくなって初めて得役だと感じたリーシャ。

「じゃあ流すね」

「………」

もはや言葉はなく頷くだけになってしまったロー。
頭を流すと次は体を洗おうとボディソープに手を伸ばす。

「や、やめろ!体くらい洗える!」

「そう?」

やはり恥ずかしがっていたようで赤い顔でリーシャの腕を掴んできた。
少し笑うとリーシャはベポを見る。

「ベポ気持ちいい?」

「アイ!」

湯舟に浸かっているベポが嬉しそうに手を上げる。
再びローに目を向けると身体を洗い終わったようでシャワーをかけていた。

「終わった?」

「あァ……やっぱりやるのか?」

「もちろん。ローくんのやったでしょ?」

そう言うとローはたどたどしい感じでボディソープを手に取った。
いつもは大人のような言動の彼でも、押しには弱いのだとリーシャはくすくすと静かに笑う。

「じゃあ始めるぞ……」

「はーい」



「結構頭を洗うの体力がいるんだな」

「そうだね」

やっと頭を流し終えたローは疲れたように呟く。
今のリーシャとローは裸同士だ。
もちろん幼児体型のリーシャはなんとも思わない。
初めてではないが、流し合うという動作に少し憧れていた。

「じゃあ最後に前をお願いします」

「は?」

「え?」

リーシャの言葉に目を丸くするローにこちらもキョトンとなる。

「……断る」

「え!な、なんで?」

まさかそんな。

「俺には無理だ」

「えぇぇ〜……」

楽しみだったのに。
リーシャがうなだれているとローは何を思ったのか赤い顔をしながら「あっち向け」と言い出した。

「??」

「仕方ないから―あ、洗ってやる」

「本当!?やったあ!」

うきうきとしながら言われた通り後ろを向くリーシャ。
しばらくすると、恐る恐るといったようにゴシゴシとリーシャの背中を洗い始めるロー。

「ふふふ……」

嬉しかった。
誰かに背中を洗ってもらうなんてもう何年ぶりだろう。



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