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「ジェイドさん、洗濯終わりました」

「あぁ…いつもすまないね」



ジェイドに伝えるとソファに座るように促された。



「いえ、お世話になっているから当然の事です」

「リーシャちゃんはもう家族なんだから気を使わなくていいんだよ」

「あ……、すいません……」

(またやっちゃったな……)



自分の失態に後悔する。
しかし、ジェイドはそんなリーシャに微笑みながら頭を撫でてくれた。



「まぁ、これから慣れていけばいいさ」

「……はい」



ジェイドの言葉に気恥ずかしくなる。
そんな時、ジェイドは思い出したように話を切り出した。



「そういえばもうすぐローの誕生日だったな……」

「え、そうなんですか?」



リーシャがこの世界に来てもう半年になる。
ローの誕生日がそんな時期にあると知った事で、もうそんなに時間が経っていたのか、と密かに感じた。



「今年はリーシャちゃんもいるから華やかになりそうだ」

「そうですね」



そこまで言うと、ある事が浮かんだ。



(誕生日プレゼント、どうしよう……)



今の自分は無一文だ。
ジェイドに貰うのも――気が引ける。
リーシャがうーん、と唸っていると、隣にいたジェイドがくすくすと笑った。



「プレゼントを買うくらいのお金なら渡すよ」

「え!……そんな、いいですからっ……!」



リーシャはジェイドの言葉にぶんぶんと頭を振る。



「ちゃんと家の手伝いをしてくれているし、これは小遣いだよ」



ジェイドはそう言いながらポケットに手を入れた後、リーシャの手を引いて中にあったベリー札を握らせる。



「え、あっ……」

(どうしよう……)



どうすればいいのかわからなくてジェイドを見る。



「リーシャちゃん。私達は、なんだい?」

「……!――か、家族……です……」



リーシャがそう言うとジェイドは微笑みながら頭を撫でてくれた。



「だから、家族に頼る事は当然なんだからね……?」

(……!)



ジェイドの言葉に胸がじん、と熱くなった。



「ありがとう、ござい、ます……!」



リーシャはベリー札を握り締めながらジェイドに笑い掛けた。








(その気持ちが尽きる事はないのだろう)



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