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リーシャは正面からそれを見てしまい赤面する。
慌ててマカロンを誤魔化すように食べるとクツクツと喉を鳴らして笑う幼馴染み。
話が反れる前に話し出そうとすると、またもやローがスッと顔を近付けてきた。

「な、何?」

「口にマカロンが付いてるから取ってやろうと思ってな」

「自分で取るからっ」

バッと手を口に当ててごしごしと拭う。
何故だか話をさせないように誘導されている感が否めない。

「ローくん、言わせないようにしてるでしょ……」

そう言えば、彼は白々しく惚けた。
リーシャがジッと見るとローはマカロンの感想を聞いてくる。

「コーヒー味、美味しかった……けど」

ローはそれだけ聞くとニヤッと笑みを浮かべてベッドに寝転んだ。
まだ、話は終わっていないのに。
彼の肩を揺らすと、その腕を掴まれた。
グッと予想以上の力で引き寄せられ、ローの胸に頬が当たる。

「お前は、何も考えるな」

彼が何を思って言ったのか分からない。
けれど、安心しろと胸の鼓動が答えているように感じた。
とくんとくんと一定に響く心音程、安らぐ音はないだろう。

(考えたいよ、私だって)

ハートの海賊団の船員達も、ベポもローも守りたいのだから。






いつの間にか寝ていた事に気が付いたのは心地好い眠りから覚めた後、すぐに昼ご飯だと伝えにきたベポの声が聞こえた時だった。
隣には珍しくローも眠っていて、いつもなら気付かない間にベッドから居なくなっているのに。
先にリーシャが起きて、次に彼が起きた。
睫毛が震えるのを見詰めているとローは少し目を開けた状態で、冗談めかして聞いてくる。

「寝顔をそんなに見られたら穴が空くだろ?」

「初めから空いてるでしょ?耳とか口とか」

わかっていて話すローにリーシャも対抗する。
フッと笑う彼にこちらも頬が自然と緩む。
こういう日常が大好きだ。
ずっとこうして過ごしていたい。

「起きよ。ご飯だって」

「……そういえば腹減ったな」

「今日は寝たからあんまりお腹空かないと思ったけど、空くんだね」

「そりゃあ、生理的な現象だからな」

医者の尤もな理論に思わず笑ってしまう。
隈をこさえている彼に説明をされたからか。
そうしていると、ローはリーシャの内情を読んだかのように起き上がる。




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