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- ナノ -
 
06



あれは、そう。
船が順調に直進している時だった。
誘拐された時は何も知らないままだったが、ルフィの始まりの海の船より三人なんて余裕で生活出来る程の広さを持つ船に乗っていたことを自覚し始めた時の事。
ローにいきなり仲間が増えると言われ紹介された日は新しい顔触れの人間が立っていた。



「こいつはシャチだ」

「初めまして!シャチです!」



サングラスにキャスケット帽子の風貌をした明るい男に「初めまして」と頭を下げた。



「え、なんか礼儀正しいな!娼婦だろお前?――ぐああ!!??」



シャチが呻いたのはローが回し蹴りを喰らわせたからだ。
リーシャは言葉の誤解よりもそちらに驚く。
ローは鬼よりも遥かに恐ろしい表情でサングラスに迫った。



「次、そんな事口走ってみろ。能力なしでバラバラにしてやるよ」



シャチは涙ながらに頷いた。
能力というのは悪魔の実だという。
いつ食べたのか、ローは能力者にいつの間にかなっていた。
リーシャは実際その能力をまだ見た事がないからどんな能力かはわからないが。



「お前は何を見ているんだ?どう見ても二人は恋人同士だろ」



二人目の新顔に三人は目を向ける。
PENGUINと真ん中にロゴの付いたボン付き帽子を被った男。
後ろにはベポも居てリーシャは手を振る。



「そうなのか!」

「キャプテンとリーシャは幼なじみなんだ。あ、キャプテン、新入り連れてきた」

「初めまして、ペンギンだ」



いかにも紳士らしい挨拶にリーシャも改まった姿になる。
握手を済ませるとシャチは青い顔をしている事に気付く。



「俺俺俺っ――マジすんませんんん!!」



思いっ切り頭を下げてくるので「気にしてません」と言う。
するとシャチは子犬のように目を輝かせて「ありがとう!」と何故か言った。
彼はその瞬間、ローに刀の鞘でドス!と突かれ呻く。



「ローくんっ、駄目だよ。大切な仲間になる人なんだよ?」

「リーシャこそ飴ばっかりやったら貧弱になる。今こそ鞭を使え」

「え、何言ってるの……?」



男に対して鞭とは。
意味がわからなくてちんぷんかんぷんだ。
二人が言い合っていると再度ペンギンが話に入ってくる。



「俺は情報収集の役割を担う。それだけは理解してくれ」



二人の関係に巻き込まれないように話すペンギンにシャチは内心舌を巻いたという。




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