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どうして服を着ていないのかと聞くと「暑いから」と最もな理由を言われる。
センナは顔を真っ赤にして視線を反らしていた。
リーシャも困り果てていると、ローがニヤリと笑う。

「男の裸は見慣れてねェのか?婚約者がいるのに」

「それとっ、これとは、違うわよっ」

「そうだよローくん。目のやり場に困るから……」

「あ?別に減るもんでもねェだろ」

ローは鼻で笑うとリーシャの目の前まで寄ってくる。
自然と後ずさる足に何を考えているのかと顔を見遣った。
センナは赤い顔のまま足早にこの場を去る。

「私、先に行ってるわねっ」

「センナさん?」

何が彼女を急かしたのか分からない。
だが、ローとリーシャだけの空間が出来てしまった事は理解できた。
クスリと笑い、彼女を目で見送った彼はリーシャを瞳に写す。
前の半裸が見えてしまい慌てて隠すように言う。

「センナさんが驚いちゃったでしょ。早く服を着て−−」

「断る」

言葉を遮られグッと距離を詰められる。

「何も感じねェか?」

「感じないって?」

「興奮する、とか」

「!?……しないよっ」

いきなりの発言に顔に熱が集まる。
ローが不意打ちでそんな事を言うからリーシャはいつも反応に困っているのに。
彼はそう言っても全く退く気配を見せない。

「リーシャー?」

(ベポだ!)

タイミング良く白熊の呼ぶ声に返事を返す。
ローは舌打ちはしなかったが不機嫌になった。
食堂へ取り敢えず行こうとローの背中を押すと、彼は渋々足を動かした。








ローは食堂へ行き、リーシャはキッチンへ向かうと、コックが玉ねぎを切っている所だった。
自分も何かをしようとコックに手伝える事を尋ねると、ジャガ芋を剥いて欲しいと言われたので包丁を手に取る。
皮剥き器も使えるが今日は時間に余裕があるので使わない。
グツグツとお湯の煮立つ音が聞こえると、コックがバラバラと鍋に野菜を入れていく。
この作業は明日の朝食の下ごしらえだとコックは言う。
今日のメニューはカレーらしい。
どの世界でもカレーは不動の人気だという事で、特に男所帯であるハートの海賊団では取り合いになる程だ。
もう少しで出来上がるからとコックはリーシャに食堂へ行くように気遣かってくれた。




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