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(外に出たい?)

ジェスチャーで扉を示すとベポは首を振る。
居辛い場所に留まる必要はないので、自分は少し置いてローに外の空気を吸ってくると伝えた。
こくりと頭が上下したのでドアノブを捻る。
蝶番(ちょうつがい)がギシリと軋む音が耳に響いた。
外へ出ると船員達が居たのでお疲れ様、と声をかける。
軽く頭を下げる人もいれば、中がどんな様子なのかを尋ねる人間もいるので環境の変化を今更ながら感じた。
ほとんどが陽気な男性ばかりである為、こちらも気兼ねなく接しられる。
時たま自分を敬う仕草や態度を示す相手にリーシャは古株なのだと思う。
中の様子を伝えられる限り話すと、一度は唸るように考える仕草をした。
よく、似た者同士が仲良くなると言うが確かにそのようだ。

「船長は助けると思うか?」

「うーん、難しいところだな。今回はメリットなさそうだし」

「だよなァ……」

と、話し始めたのでリーシャも興味を持つ。

「ローくんはどんな基準で物事を判断するの?」

長年ローと居るがそれは今だに分からないのだ。
リーシャ的にはいつも何かを確信して行動しているように思っている。
船員達は驚愕の表情で紅一点を見詰めると互いの仲間同士で何か目で語り合う。
何かおかしな事を言ったつもりはないのだが。
少しすると船員達は慎重な声音で語ってきた。

「船長は、自分に得かそうでないか。利益はあるのかで判断します」

「たまに利益云々はなしで行動するときもありますけどね」

「それは、人助けって意味?」

リーシャが問えば一人が頷く。
次々と頷く頭が揺れるのを見ているとロー達が家から出て来た。

「あ、センナさん……」

「お互いに手を組む事になった」

「え?」

疑問の声を上げたのはリーシャ自身。
まさか二人に協力するとは思わなかったのだ。
ローは首を動かしてセンナを紹介する。

「三日間だけだがこの女を預かる事になった」

「「「「えェ〜!?」」」」

全員が素っ頓狂な叫び声を空に響かせた。









ゆらゆらとコーヒーの香ばしい香りが鼻を通る。
船長室に入ろうとした手前で足が止まる。
これはティータイムでもしているのかと思い、出直した方がいいかもしれないと考えた。

「入れ。お前に渡したい物がある」

「渡したい物?」




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