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組織ぐるみの計画を海軍に通報しようとするセンナと、それを阻止しようと紛争するエド。
取り敢えず、今思う事はエドが味方か敵なのかどうかの問題であった。
海軍は海賊の自分達とは相性が悪いとしか思えないし、かと言ってエドを信じられるわけでもない。



「センナ、海軍には頼るな。あいつらは偽善者だ」

「貴方よりは、マシよ」

「!……一体俺のする何が気に入らない?」

「罪人に身を落とす行為全てよ」

「……そうか」



重い空気に口を出す隙を見逃してしまい一同は押し黙る。
罪に身を落とす事を嫌うセンナにリーシャは同意しかねた。
なぜならリーシャはローに付いていこうと決めたからだ。
海賊になろうとは思わなかったが、サポートしたいと思い、ローの隣にいる。
罪の意識に苛(さいな)まれる気持ちは分かるが、拒否をする気持ちは頷けない。
これは個人的な意見であるからして口には出さないが。
しかし、何処か違和感を感じた。
違和感の正体はさっぱり分からないが、やはり引っ掛かりを覚える。
センナはエドが罪を重ねる事を嫌っている事は理解出来た筈なのに、と頭を悩ませる。



(センナさんはエドさん自体を嫌いになったような感じには思えなかったけど……)



先程、センナはエドに駆け寄ったのだから。
寧ろエドが距離を置いて線を引いているように見えた。



「で?お前は自分の女を捕まえて組織に突き出すつもりか」

「……分からない」



エドはローに首を振る。


「エド……ねぇ、私は耐えられないわ」


聞いていたセンナは縋るようにエドの服を握った。


「俺には借金がある」


仕草ではないが、言葉でエドは恋人を突き放した。
自分が言われたわけではないのに胸がツキリと痛む。
センナはリーシャの気持ちを代弁するように顔を切なげに歪め服を離した。
何故自分達はよく恋人や異性達の内部を見る機会が多いのだろうという考えが思考を掠めたが、答えなど分かる筈もなく違う事を考えるように気持ちを切り替えた。


「つまらねェ喜劇だな」

(!……ローくん!?)


ローが二人に向けて辛辣な言葉を投げ付けた。
エドとセンナは先程の重い空気を思わせるような表情ではなく呆気に取られた表情を浮かべている。
角言うリーシャも呆気に取られて彼の発言を直ぐに止められなかった。


「海賊の俺達に言わせてみればお前達は所詮偽善者だ」




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