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ゴールドのピアスにも慣れてきた頃、船はログポースに従い次の島に到着した。
そこでも、いつの間にか部屋の鍵が閉められていたので頭を抱える。
どうしてこうも軟禁するのかわからない。



「誰か開けて欲しいんだけどー?」



叫んでみても駄目。
ならばと窓から外を覗いた。
その時、予想外に人と目があったので驚く。
どうみてもこの船の人間ではない、女の子が入り込んでいるということだ。
あまりに近い距離に居たので相手もびっくりしたように目を見開いていた。



(侵入されたのかな?……それにしても少し年下くらいだなぁ)



呑気に考えるのはここからどの道出られないからだ。
試しにコンコンと窓を叩いてみると彼女が近付いてきた。
ジェスチャーで部屋に来ないかと誘ってみると、相手は考えに浸る仕草をして左側へ消える。
やはり駄目だったかとベッドに座った。
その五分後くらいに扉の前がガチャリと鳴ったので、もしかしてと入口に寄る。



「さっきの人?ごめんなさい。外側からは鍵がかけられていて開けられないんだよ」



返事はなかったがドアノブがカチカチと音を立て始め一分程経過した時、カチッと何かが嵌まる金属音がした。
そして、ゆっくりと扉が外側から開く。
入ってきたのは先程の女の子で二つ程年下に見えた。



「こんにちは。貴女の名前は?」

「……ユリア」

「そう。いくつかな?」

「十五」

「じゃあユリアちゃん。どうして海賊船にいたの?ここが何の船だか知っていて乗ったの?」

「うん。お姉さんだって海賊船に捕まってる捕虜なんでしょ」

「え……?」

「私、知ってるんだから。ハートの海賊団って悪い噂ばっかりの海賊って」

(悪い噂?)

「私は捕虜じゃないよ。でもユリアちゃんには何もしない。だから、お茶に付き合ってほしいんだけど……いいかな?」



リーシャはユリアにそう聞くと少女は驚いて自分を見た。
捕虜ではない上にお茶に誘われたのだから当然の反応だろう。
程なくして、こくんと彼女が頷くのを見ると、リーシャはお茶のカップをテーブルに置いて、近くにあったお菓子も用意した。
ユリアが居心地悪そうに立っているので椅子を進めると、怖ず怖ずと腰を下ろす。
用意が一段落すると自分も椅子に座り向かい合う。
彼女に何故ここへ来たのかと聞くと、驚いた事に泥棒が稼業なのだと言った。
ナミが頭に浮かんだが、あの少女は確か十七だったはずだ。




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