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それから四日間、ローに耳の手入れをしてもらい、上陸する前にカチリと何かを付けられた。
ピアスだろうと予想はついたのだが、まさか。



「ローくんと同じピアスかぁ……よく持ってたね」

「ペアじゃなくて片耳だけどな」

「ゴールド付けるとは思わなかったよ」



二人で喋りながらもリーシャは気になる、耳にあるピアスをちょんちょんと触る。
違和感が凄くあるが、穴が空いてしまったものは嘆いても房がらない、と空けた本人に言われ、諦めるしかなかった。
船から降りると船員達が一斉にリーシャの耳に釘付けになる。



「お前いつの間に穴空けたんだ……!?」

「四日前だよ」



シャチがびっくりしているとペンギンが納得したように頷く。



「だから四日前からやけに片耳を気にしてたんだな」

「よく似合ってるな」



ベポが褒めてくれたのは嬉しいが容認していない事なので曖昧に笑う。
まさか自分がピアスをつけるなど夢にも思わなかったし、ローがピアスをくれたことも驚いた。
彼の口から発された言葉をまとめると、どうやらピアスをすることで上陸が許可されたようだ。
次も同じように了解が得られるかは予測不能だが、とにかく今日は買いたいものが直に見られるので気分は良かった。









町に入るとロー達の集団は一気に人目を引いた。
ヒソヒソと海賊だろうか、という会話が聞こえてくるのでロー自体はあまり知られていないのだと世間の物事を初めて知る。
道を進むと建物の反対側から井戸股会議をしているらしい婦人達の大きな声が聞こえてきた。



「最弱の海は−−よねぇ〜!」

(あれ?聞いた事あるような……何だったかな?)



リーシャは思い出せない事に頭がモヤモヤして、隣で歩くローに助けを求めた。



「最弱の海?リーシャ知らねェのか。イーストブルーの総称だぜ?」

「シャチくん。それは総称というより皮肉じゃない?」

「ああ、まーな」



シャチは元気良く言うとリーシャはあはは、と苦笑した。
これだけ月日が経てば、知っていたこの世界の情報の殆どが頭から抜け落ちている。
しかし、時期的にもルフィ達が海賊として既に航海をしていてもいいんじゃないかと思った。
そう思うと麦藁海賊団の事を知りたくなる。
と、考えたは良いが、問題が一つ頭に浮かび肩を落とすと、ローがどうしたのだと聞いてきた。




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