×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
 
16



なので秘密事に同席させても許される。
ライラはふふ、と口元に手を置いて笑う。
リーシャも楽しくなる予感に笑みが浮かぶ。
これは二人、いや――三人だけの内緒話だ。
これから楽しくなるだろう。
驚く男達の顔が目に浮かぶので笑いが止まらない。
ベポも楽しそうにニコニコとしているので反応も良好だ。
大会前に気を和らげてもらうという作戦は明日となった。
女王と紅一点と白い熊の企ては直に始動する。








その夜、リーシャはローが泊まっている一室へと尋ねた。



「ローくん、いる?」

「……聞こえねェなァ」



素っ気なく答える彼にリーシャは内心ため息をつく。
ローがこんなふうに受け答えするのにはちゃんと理由があるのだ。



「ロー……」

「やれば出来るじゃねェか」

「くん、入るよ」

「…………俺を騙すなんざいい度胸だな?」

「騙すだなんて。私はちゃんと名前を、呼んだよ?」

(心の中で……ね)



リーシャは悪戯めいた内情でこっそり笑うとローが扉を開ける音がした。
立っていたのは不機嫌どころか逆に目を細めて口元に不適な笑みを作る死の外科医。
リーシャは思わず頬の筋肉が引き攣るのを感じた。
何故かヤバい予感がする。
それは当たっていたようで、彼はリーシャの腕を掴むと室内へ引き込む要領で引っ張ってきた。
腰が引く思いで抵抗するのは自己防衛だ。



「俺の部屋に入りたいんだろ?構わねェ。長居すればいい」

「い、いや……ここでいいよ……ちょっと話したいだけだから」

「遠慮するな。俺を出し抜こうとした褒美に存分に持て成してやるよ」



褒美と言う名前の仕返しが待っているとしか思えない。
ローの危険な発言に待ったをかけつつやんわりと宥める。
あまり調子に乗ると彼に何をされるかわからないのでサクリと受け身になった。
相手はそれで気が済んだのかリーシャを引くのを止めて中に入れと身を引く。
取り敢えず安心したので中へ入るとローが扉を閉めた。
ホテルの様な内装をしている部屋はリーシャの泊まる部屋と何一つ違う所はなく全て一緒だ。
あると言えば、刀が置いてある程度。
部屋にある椅子に腰掛けると彼も隣に座った。



「もしかして寝てた?」

「本を呼んでた」

「また隈が濃くなっちゃうよ……」

「気にしねェよ」

「私がするのっ」



相変わらずそこら辺は適当なのか、わからない性格だ。




prev next
[ back ] bkm