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バンダナはへらりと笑い肯定する。
毎年優勝しなければ護衛としての仕事を失い、また犯罪者として囚人となるシステムらしい。
だから彼も全身全霊で大会に挑むだろう。
もちろんそうなればローとは敵。
つまるところリーシャを近付けさせる事を嫌がるローの気持ちもわかる。
敵は敵だから塩を送る真似などしたくないはずだろう。
仲良しこよしになる気もないが普通に会話くらいは許してほしい。
彼はもちろん遠くからリーシャ達を見ている。
ペンギンとこの島を出た後の食料や、いるものの話をしながら。
ベポが既にリーシャのボディーガードとして付いているのでそこまで警戒しなくとも良い話なのだが。
バンダナも視線を浴びている事を理解しているらしく向こうに笑いかけて手をヒラヒラと振る。
ローは挑戦状を突き付けられた人間のように不適に笑い返していた。
ピリピリとしているわけではないが喧嘩が始まっても可笑しくないやり取りに肝を冷やす。
ベポもリーシャと同じ心境なのかハラハラした顔をしていた。
巨体を持つ身体を左右に揺らす姿は落ち着きを取り戻すには十分な要素である。
ベポの腰辺りを軽く撫でると彼はこちらを見下げてくるので、仕方ないと目で伝えた。
すると、伝わったのか再度座り直す白熊。
ミシッと椅子が軋んだ音がしたのでどこか亀裂が走ったのだと思う。
そう考えていればバンダナはリーシャの向こう側を見上げている事に気付いた。
金色の目を細めて無自覚なのか頬が緩んで微かに自然体の笑みを浮かべている。
後ろを向こうとすれば丁度真後ろから名前を呼ばれた。



「俺、ガールズトークの邪魔しちゃう前に退散するねー。よかったら姫様の相手してあげて」

「バンダナ、貴方は私を何だと思っているの?」



冗談を混ぜた短い会話をライラは済ませると横に座る。
バンダナは椅子から退いて立ち上がった。
邪魔物は遠くでお茶でもしてますよー、と軽く肩を竦めて彼は部屋から出ていく。
それを見送った三人は再び声を潜めて計画を話合った。
大会云々の話意外にも女同士で話す事は沢山ある。
ベポはリーシャの味方だと信じているので例外だ。
仮にもキャプテン主義な船員が口を滑らせる失態などない。
そう言い切れるのはベポがローとリーシャに育てられた環境と接し方の差。
いくら戦闘において先輩な船長が好きでも、天秤にかけられない程ベポは彼女も好きなのだ。




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