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大会二日前の早朝には船員達も寝床として城を使った。
数人、船に見張りを残してきたとシャチが言うので安全面は抜かりなしということだ。
ベポは張り切って見張りをすると言ったそうだがローにリーシャを守れと命令されたと胸を張って自慢していた。
そこまで治安が悪いわけではないが、大会にエントリーした以上はローを付け狙う優勝したい人間が嗅ぎ付ける恐れがあると用心する必要があるらしい。
国お抱えの用心棒とはそこまでしたいものだそうだ。
ローは海賊な上に賞金首なので大会前に潰そうと企む人間が出てくる予想をペンギンも述べていたので確かだろう。
リーシャはローの手配書をじっくり見詰めながらウーンと首を捻る。
ベポが「カッコイイんだから!」と絶賛している写真写り。
まじまじと見ていれば横からバンダナがやってくるのが見えた。
ここは誰でも使用できる中央の少し広い部屋でのんびりと公式に休める。
彼はリーシャとベポの向かい側に座ると腕をテーブルに乗せて手を組み顔を乗せた。
ニコリとした拍子に星が飛んでいるように見えたのは目の錯覚だと思いたい。
ベポにも「やあ白熊くん」と挨拶する。



「お前バンダナだったか?キャプテンがお前にも近付くなって言ってたよ」

「ああ。俺も随分警戒されてるねー」



ねェ?と同意を求められ困惑するしかない。
ローが要注意人物としてバンダナを上げていることは薄々予想出来た。
初日にお前は口説かれたのだと幼なじみの彼に言われてから自分は誘われていたのだと知ったのでリーシャもバンダナにどう接すればいいのかわからない。
ライラに聞いたら彼女は笑顔で「無視すればいいだけです」と言って退けた。
女王にそんな言葉を言われる彼をリーシャは哀れみを向ければ良いのか笑っておけばいいのか正直、余計に選択肢に困った話。
おまけにシャチやペンギンにも近付いたらしく二人は嫌な表情を浮かべながらバンダナの話を聞いた。



『気持ち悪いくらいヌルヌルしてる』

『アイツ、実はホモじゃねーか?』



と、ガタブルと体を震わせて語っていた。
先程聞いたので情報がホヤホヤなだけあって、相手をついつい凝視してしまう。
ん?とまるで女の子の様に顔を傾けるプレイボーイにリーシャは話題を作り語りかけてみる事にした。



「バンダナさんも大会に出るんですか?」

「うん。出るよー」

「キャプテンとぶつかるな」




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