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どうしようと悩んでいれば誰かに肩を叩かれた。
振り向くと見知らぬ青年がキラキラとした笑顔をして立っていたので何だろうと首を傾げる。



「お嬢さん迷子?俺、この島の人間なんだけど」



と聞いたわけでもないのに自ら喋り始めた人。
それを聞いていると地面を這うような声が真後ろから聞こえてきた。



「消されたくなかったら失せろ」

「ん?俺は今彼女と話してるんだけど、あんた誰?」



パッと後ろを見ると見慣れた帽子にびっくりする。



「聞こえなかったか、消えろ今すぐ」

「あんたがどっか行けよ」

「"ROOM"」

「ローくん!?」



ローは額に血管を滲ませて何かを唱え刀を構えた。
リーシャは付いて行けず叫ぶ。
青白いサークルが三人の周りに出現する。
これは何だと考える前にナンパの男は身軽に一歩離れトンファーのような武器を腕から取り出した。



「ナンパ野郎はすっこんでろ」

「あんただって女遊びしてそうな顔してるぜ」

「……消す」



ローは怒り浸透で刀を振るおうとした。
リーシャは慌てて手を止める。
街中で騒ぎを起こせばライラにも迷惑をかけてしまうし、何よりローが怪我をしてしまう。
ローはリーシャを見て「下がってろ」と言うが駄目だと警告した。
相手も戦う気でいる。



「バンダナ?……貴方バンダナよね?」

「え?……姫様!?何故個々に!ご無事だったんですね!」



突然大きな声が耳に入り後ろを向くと、はぐれた一国の姫が立っていてナンパの男がライラに駆け寄った。
リーシャもライラの行方が心配だったのでホッとする。
彼女を見たバンダナと言う青年は勢いよく肩を掴んだので知り合いだとわかった。
それは良いのだがローの問題が残っているので一抹の不安がある。
彼を怒らせたままバンダナは移動した。
つまり――。



「人を怒らせといて謝りもしねェなんてなァ?」

「ローくん。私は平気だし、もう抑えてほしいな?」

「……チッ。そんな事よりもっと大事なことがあるしな」

「え?」



ローはきちんと舌打ちをしてリーシャを見る。



「勝手にいなくなりやがってふざけんなよ」

「あ……ごめんなさい」



彼が怒っている事に今しがた気付き申し訳なさに俯く。




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