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- ナノ -
 
12.5



ローも理解したらしく門番に「わかったら退けよ」と蹴散らして真ん中を通る。
リーシャも一緒に歩かされたので必然的に「ごめんなさい」「すいません」と門番達に謝りながら進む。
ローは謝るなと目で睨んでくるが後で海賊だからと敵意を向けられるのも、彼に危険が増えないようにする為にも当然の処置だ。
仮に何もしなくても自分達は犯罪者なのだから忌み嫌われる対象であることに変わりはない。
こればかりはどうしようも出来なかった。
犯してしまったものは仕方ない。
それに、自分はそういう人間なのだと割り切っとけとローにキツく言われた。
そんな彼に卑下したり差別したり距離を置く選択肢をリーシャは持てないのだから自分なりのやり方でするしかない。



「バンダナ、悪いが彼等の案内役を頼めるか?」

「はいはーい」



バンダナが国王に一礼するとライラの父親がロー達に向き直る。



「初めてお目にかかる。私はこの国の王である。が、娘の恩人である君達は無礼講で構わない。もちろん礼もする」

「へェ?じゃあ寝床とかも用意してくれんのか」

「ああ……バンダナ」

「承知致しました」



目配せで意味を受け取ったバンダナの金髪青年はピアスを揺らしてこちらを向いた。
泊まる部屋まで案内するよ、と言われリーシャ達は付いていく。
ライラとは後から食事の時に会えると言われホッとする。
しかし、ハートの船員達抜きでこんな風に行動して大丈夫なのか。
ローに尋ねると「アイツらはタフだ」とわかるようなわからないような事を言われた。
取り敢えずは泊まる部屋だけでも下見気分で見ておこうと思う。



「お前バンダナって言ったな。どうだ、俺と来ねェか?」

「ストレートだねェー」

(いつもだしね……)



ローは自分の欲求に素直なので遠回しな言い方はしない。
少なくとも昔よりは。
たまに謎を残して一日中人の頭を悩ませる発言をする時がある。
しかし、それも彼の性格上の話なので仕方がないと思う。



「でも俺には約束があるんだよねー」

「約束?」



リーシャはつい気になって口を出してしまう。
ごめんなさいと謝ると「別にいいよー。でも秘密だけどね」とウインクされた。
ローはそれでも滞在中に考えておけと付け足す。
彼は気まぐれだが確実性を狙う。
こうと決めたらこう、という感じだ。
そう話していれば豪華な廊下が目の前に広がる。
大理石の通路に幾つもの連なった装飾や大きな扉があった。
さすがは国の城。




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